筆者は長年に渡りカルトと指摘される諸団体への取材を行ってきた。その過程では、当該団体の関係者から尾行され自宅や家族関係などの個人情報を探られたり、拉致予告を受けるなど脅迫されたことも多々ある。直接、暴力を奮われたことも一度ではない。筆者個人はそれなりの覚悟を持って取材・言論活動を行っているが、同居する家族を護るために個人情報は極力公表していない。
そんな中で、
取材者の住所地を執拗に告げるなど脅迫めいた言葉を発したのが、これらの「カルト」団体関係者ではなく国会議員であったことに驚きを禁じ得ない。
菅原議員の元秘書はこう証言する。
「正当なことを言ってきているメディアの取材からはいつも逃げ回っていたけど、ただ攻撃はしないというだけの話」
後ろ盾のないフリーの記者には攻撃を仕掛けてくるということなのか。
疑惑追及に開き直り、被害者面を続ける菅原一秀前経産相(光が丘、筆者撮影)
師事する菅義偉官房長官が総理総裁の座に上り詰めたことに便乗し、その関係性を殊更にアピールしている菅原議員。駅頭再開は次期衆院選での再選を目論んでのことではないかと選挙区内では指摘する声も挙がっている。
菅原議員は昨年9月、菅氏の推薦で約70人と言われる閣僚待機組の中から経産相に抜擢されたものの、翌月には公選法違反疑惑で辞任、顔に泥を塗る形となった菅氏との関係は一旦切れたと見る向きもあった。
しかし、菅氏は菅原議員を完全に見放したわけではなかった。
大臣辞任翌月の昨年11月、菅官房長官は永田町の隠れ家的なレストランに梶山弘志新経産相と菅原前経産相を呼び出し、3人で会食を行っている。
国会議員の座にしがみつく菅原議員にとって、菅首相との関係が命綱だ。
25日、探偵使用疑惑を含め、THE NEWS及びベルダの当該記事への関与、統一教会との関係が菅首相からの手配だったのかなど、石神井公園駅前で駅頭を終えた菅原議員に改めて直当て取材を行った。
何も答えようとしない代議士、数多の疑惑について否定も肯定もしなかった。質問を無視する菅原議員は取材妨害を行う秘書の一人を交番に走らせ、警察官を呼びにいかせた。
この日、激励の言葉をかけグータッチを交わす有権者もいたが、菅原議員の姿を見て険しい表情でスマートフォンを向け撮影する人の姿も確認できた。
菅原議員が説明責任を果たさないまま、国会議員の座に留まっていることを快く思わない有権者は多い。
この日はリアクションなしの菅原前経産相、ISSHUラガーマンTシャツの男性は筆者の車を撮影する武藤秘書(石神井公園駅前、筆者撮影)
今年6月15日、菅原議員は東京地検の起訴猶予処分を受け「心から反省している」などと自民党本部の記者クラブに宛ててコメントを出していたが、今回の一連の直当て取材における言動からは反省の姿勢など微塵も感じられない。
疑惑を追及され取材者の個人情報を連呼するという醜態を見せた菅原一秀前経産相。国会議員としての資質に改めて疑問符が付く。
大泉学園駅と光が丘での菅原議員への直撃取材の報道映像は下記で公開している。
〈参照:
YouTube/ eito suzuki|菅原一秀前経済産業大臣、直撃取材に説明責任果たさず「脅迫」「嫌がらせ」と逆ギレ、疑惑を追及する取材者の個人情報を連呼〉
<取材・文・撮影/鈴木エイト(ジャーナリスト)>