パチンコ業界が推し進める「“凱旋”包囲網」と、そこから生じる悩みのタネ

パチスロイメージ

よっしー / PIXTA(ピクスタ)

パチンコ業界が頭を抱える「凱旋撤去」の問題

 パチンコ業界は11月に大きなターニングポイントを迎える。コロナ禍による規則の改正により後ろ倒しにされた旧基準機の撤去の最初の山場を迎えるからだ。一般ファンにも分かりづらい問題なので簡潔に説明すれば、次のようになる。  パチンコ業界関連の14団体からなる業界最高峰の会議体である「パチンコ・パチスロ産業21世紀会」(以下、21世紀会)は、旧規則機(≒2018年1月31日以前に設置された遊技機)を3つの区分に分け、それぞれに撤去の期限を取り決めている。この取り決めに従えば、11月に一部地域を除いて設置期限の切れるパチスロ遊技機「ミリオンゴッド~神々の凱旋」(以下、「凱旋」)を撤去しなければならないーーのだ。  この「凱旋撤去問題」を巡って、業界団体側は撤去に向けた包囲網を狭めている。なぜ「凱旋撤去問題」がパチンコ業界にとって大事になるのかを解説する。  パチンコ業界団体が警戒しているのは、「全国のパチンコ店は凱旋を取り決め通りに撤去してくれるのか?」という点。万が一にもこの問題がうやむやになったり、解決されなければ業界にとって後禍を残す事態になりかねない。後禍とは、警察行政主導による業界への更なる規制の強化のこと。客数も減り、売上も右肩下がりのパチンコ業界にとって、これ以上の規制強化は致命傷にすらなり得る。そのような事態だけはどんなことがあっても回避したいのだ。

売り上げの柱だった「凱旋」撤去は経営に大きな打撃

 さて「凱旋撤去問題」である。  日本全国における「凱旋」の設置台数は8月末現在で約65000台。まず問題になるのはこの台数規模。65000台が撤去されて、その代わりとなる新台をメーカーは供給出来るのか、パチンコ店はそれを購入出来るのかという問題。まして年末には「凱旋」に続き「沖ドキ!」約48000台の撤去が控えている。  供給の問題はさておき、パチンコ店にとってこの台数の新台(中古機も含む)を購入する費用は並大抵の額ではない。既に一部のホールではパチスロコーナーの一部閉鎖やベニヤ対応(遊技機を撤去したスペースをベニヤ板で塞ぐ対応)を公言しており、「凱旋」撤去に際する莫大な費用の問題解決が個々のパチンコ店に課せられている。  この入替費用と似て非なる問題として、「凱旋」撤去によりパチンコ店の売上が大きく下がるという問題もある。  射幸性が強く抑制された「6号機」と呼ばれるパチスロ機が大半を占めるようになったパチンコ店において、旧規則機の中でも圧倒的な出玉性能を誇っていた「凱旋」が占める売上比率の大きさは際立っていた。その売上の柱の遊技機が撤去されるということはパチンコ店経営において、やはり大きな問題となる。
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21世紀会への反発は必至か
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