スキルを発揮しないで思いつくままに話してしまうと、誰しも自分のモチベーションファクターに沿った伝達や指示や助言になってしまうものだ。
ビジネスパーソンのモチベーションファクターは6つに分布されているので、自分のモチベーションファクターに沿った言い方が合致するのは、6分の1だと言える。6分の5にあたる、大多数の相手には抵抗感を与えかねない。
そこで、自分のモチベーションファクターに沿った言い方ではなく、
相手のモチベーションファクターの内容やフレーズを組み込んで指示したり、助言すれば、相手のモチベーションファクターの琴線にふれた話になり、格段に相手の腹落ち度合が高まり、
相手を巻き込むことができる。
上司と部下のコミュニケーションギャップも、シニアと若手の断絶も、統合した組織や会社の対立も、ひいては夫婦の性格の不一致も、つきつめれば、モチベーションファクターのギャップと、相手のモチベーションファクターをふまえたコミュニケーションができないことに行き着くのだ。
質問:人にはそれぞれモチベーションの高まりやすさの違いがあるのか
ポジティブなことを思い出したり
共感し合ったりすると、モチベーションが高まることがわかりました。ネガティブ表現をつい使ってしまいそうになるときに、
意味を変えないでポジティブ表現に切り替えていけば、日常的にモチベーションを高めることが習慣化できることもわかります。
しかし、人にはそれぞれ、モチベーションの高まりやすさの違いがあるのではないでしょうか?
回答:モチベーションファクターに分類できる
以下の2志向、6要素に、日本のビジネスパーソンのモチベーションファクターを分類することができます。
牽引志向と
調和志向は、
肉食系と
草食系、
狩猟型と
農耕型とも言われています。私は中国でもプログラムを実施していますが、狼型と羊型というと、中国人ビジネスパーソンにイメージを持ってもらいやすい概念です。名称は何であれ、
人にはそれぞれ、モチベーションが高まりやすい要素があるのです。
【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第208回】
<取材・文/山口博>