筆者の取材を「脅迫」「嫌がらせ」と非難する菅原一秀前経産相
菅義偉新総理総裁の側近議員が、疑惑を追及するジャーナリストの取材を「脅迫」「嫌がらせ」と呼び、刑事告訴を仄めかしている。昨年6月にも、取材の申し入れのために地元事務所を訪れた取材者を虚偽の建造物侵入で刑事告訴した”前科”のあるこの代議士。最高権力者となった菅氏の威を借りて、早速、圧力をかけてきた格好だ。
その代議士とは、公選法違反疑惑で昨年10月に経産相を辞任した
菅原一秀衆院議員だ。説明責任を果たさないまま、元公設秘書に責任を擦り付けて不起訴(起訴猶予)となっている。
この菅原議員が自民党新総裁となった菅義偉氏の側近として復権を目論み、駅頭活動を再開していることは前稿で触れた。総裁選翌日の9月15日、いくつかの駅をチェックした後、7時半過ぎに西武池袋線大泉学園駅改札脇のデッキで駅頭を行う菅原議員を発見。
大泉学園駅周辺には菅原議員の有力後援者が数多く在住している。菅原は自民党総裁選を制した菅義偉新総裁との親密な関係をアピールするチラシを配布、演説内容も菅新総裁との関係が中心だ。
早速、菅原議員を直撃したものの完全無視。徹底ガードを命じられた秘書2人が取材妨害に勤しむ。
〈参照:
菅氏の人気に便乗、1年ぶりに有権者の前に姿を見せアピールに勤しむ菅原一秀前経産相〉
取材妨害に勤しむ政策秘書、大甘な有権者、冷静な小学生
「ストーカー行為はやめてください!ストーカーされています!」野太い声を発するのは私設秘書の武藤氏。生憎だが菅原議員に対しての恋愛感情はない。
多くの有権者が説明責任を果たすことを求めており、そのような声に対してどう思うかと菅原議員へ質問を投げたが、何ら反応を見せない。有権者買収の顧客リスト廃棄についても訊いてみたがやはり視線すら合わせない始末。
「政治活動の妨害はやめてください」執拗に割って入る政策秘書の石黒氏。
距離を詰めてくる秘書たちにソーシャルディスタンスを取るように求め、取材妨害を行わないよう注意を続けた。
取材妨害に勤しむ秘書たち
「菅原さん頑張ってな!」有権者から声が飛ぶ。「応援してます!」握手を求め激励する人までいた。
その他、菅原に駆け寄りグータッチを交わす支援者も3人ほど確認できた。何か言いたげに近寄ってきた男性に菅原議員の有権者買収について訊いたところ「デマです!」と叫んで走り去った。大泉学園駅周辺では、いまだにかなり支持されているようだ。
有権者買収を行ってきた代議士とグータッチする大甘な有権者たち
騒ぎを観ていた小学生たちにどう思うか訊いた。
「
あ、カニメロン、知ってる」
「
悪いことをしたのに、こうやってまた出てくるというのは……」
大人より余程しっかりしている。もちろん中には菅原議員に冷たい視線を向ける大人もいたことを付け加えておく。