日本人の高マスク着用率は「同調圧力」が原因!? だとすれば緩んだときに大変なことになる危険性
日本でマスク着用が徹底されていると言われるのは、感染拡大防止のためではなく、脆い同調圧力によるものなのかもしれない……。筆者が渋谷の街を歩いていても、以前に比べてマスクをしていない人が増えてきた。
少し前までは、多くの人がコロナ感染に対する恐怖心を抱いていたが、人間の慣れとは怖いもので、コロナの存在が当たり前になってしまい気が緩んできているように思える。新しい習慣でも、それを続けると定着していくのかと考えていたが、どうやらマスク着用については、そうもいきそうにないようだ。
しかし、それでも多くの人がちゃんとマスクを着けているのは、海外の人からすると不思議な光景なようだ。
そもそも、日本人にはマスクを着ける習慣があったからという点も大きいと思われるが、今年4月に行われたマスク着用率の調査によると、日本のマスク着用率は81%だった。一方、英国は約15%、ドイツは約25%など低い水準となっている。
アメリカのマスク着用率は3月では10%未満だったが、ハリウッド俳優が「マスクを着けよう」という写真をSNSに投稿したり、有名な歌手がマスクを着けたままパフォーマンスをしたり、当初メディアの前ではマスクを着けていなかったトランプ大統領がマスクを着けるアピールをするようになったり、コロナによる死の恐怖を煽るメディアなどの効果で現在は約60%まで高まった。
では、なぜ日本ではこれほど多くの人がマスクを着けるようになったのだろうか。それを知ると、日本人のマスク着用の意識の脆さが明らかになってくる。
同志社大学の中谷内一也教授らの調査をご紹介しよう。教授らは、海外ではなかなか定着しなかった「マスク着用の習慣」が、なぜ日本では強制されたわけでもないのに多くの人が着用するようになったのか調査を行った。このアンケートは一般人1000人を対象に、3月26日〜31日の間に実施され、マスク着用の意識が、以下のどれと紐づいているか重回帰分析を使って分析した。〈参照:『マスク着用は感染防止よりも同調のため!?』中谷内一也ほか〉
・深刻さ
・自分への感染防止
・他者への感染防止
・衝動的実施
・同調
・不安の緩和
調査の結果、「人々のマスク着用は、他の着用者を見てそれに同調しようとする傾向と強く結びついており、(中略)自分や他者への感染防止の思いとは、ごく弱い関連しかない」ということがわかった。日本人の国民性がよく現れた結果となったのだ。
日本でマスク着用が徹底しているワケ
「右へ倣え」な国民性
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