生まれた娘に会わせない、松葉づえの被収容者を突き飛ばす。入管収容施設の一幕

松葉づえの人

自己紹介 被収容者側のドアの外は廊下になっていて、職員もですが、被収容者が行き来しています。フリータームの間は面会室に呼ばれたり、洗濯をしたりシャワーを浴びたり、自分の用事を済ませるためです。私と誰かが面会をしていると、ドアからのぞき込んで「私も面会してください。〇国の名前は〇〇です」と早口で言って去っていく人がよくいます。大体の職員は、一瞬のことなので見逃してくれます。  ある日、松葉づえの男性が面会中の私に「私にも面会してください」と言ってきました。たまたま意地悪な職員に見られてしまったようで、彼は思いっきり私の前で突き飛ばされました。結局、名前を名乗ることもできず、強引に連れて行かれました。私はほかの被収容者に、「松葉づえをついた男性を探している」と言ってやっと誰だかわかり、後日面会することができました。  彼の話では、連れて行かれる間はずっとドンドン突き飛ばされていたそうです。本当に弱いものいじめの好きな職員もいて困ります。そんな入管収容所の一場面を今回は描きました。 【ある日の入管 第4回】 <文・画/織田朝日>
おだあさひ●Twitter ID:@freeasahi。外国人支援団体「編む夢企画」主宰。著書に『となりの難民――日本が認めない99%の人たちのSOS』(旬報社)など。入管収容所の実態をマンガで描いた『ある日の入管』(扶桑社)を2月28日に上梓。
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