自民党総裁選3候補、統一教会との”協助”関係でも菅官房長官が独走<政界宗教汚染〜安倍政権と問題教団の歪な共存関係・番外編>
本人は接点なしも派閥幹部は”濃厚接触”の岸田政調会長
しかしながら、トップが“クリーン”であっても岸田派(宏池会)の幹部や構成議員には教団との関係が取り沙汰された議員が複数いる。 在庫一掃内閣と揶揄された現在の第4次安倍第2次改造内閣で科学技術大臣となった宏池会副会長の竹本直一氏は2017年7月、教団がお膳立てしたアメリカ外遊議員団に参加、教団幹部らとともに撮影した記念写真をブログに掲載している。 〈参照:|韓国の新興宗教に忠誠を誓う自民党・国防部会長〉 竹本氏も数年来、前述の『FUJISAN地球フェスタWA』の顧問として名を連ねている。 同じく閣僚入りした北村誠吾地方創生相は18年3月、長崎での日韓トンネル実現シンポジウムに参加し、翌19年6月に長崎で開かれた日韓トンネル推進長崎県民会議総会に出席。同年8月にも教団フロント団体・平和大使協議会が長崎県庁内の会議室で開いた” 平和フォーラム”に参加している。 宏池会座長で総裁選の選対を取り仕切る林芳正元文科相は、Viewpointの12年4月号に『林芳正・農林水産相インタビュー記事『林芳正・自民党政調会長代理に聞く「一体改革」法案出して議論を』が掲載されている。 宏池会事務総長代理の平井卓也前科学技術大臣は16年6月、教団2世組織であることを隠して活動する勝共UNITEの渋谷でのデモ行進を報じたテレビ東京のニュース画像を引用しFacebookに「このようなデモはあまり報道されませんが、学生はシールズというイメージは間違いです」と投稿。教団2世組織を使った党ぐるみの策動の一旦を担った疑惑が持たれている。当時、自民党IT戦略特命委員長に就き、同党のネットメディア局長とネットサポーターズクラブ(J―NSC)代表を歴任してきた平井氏はその後16年8月に自民党情報調査局長、17年8月には自民党広報本部長、そして18年10月に初の閣僚入りを果たした。〈参照:|自民党安倍政権と統一教会。2016参院選、教団2世信者を使った策動〉 さらに、平井氏には科学的根拠が疑わしいとして批判されることも少なくないEM菌に関して、有用微生物利活用推進議員連盟、所謂EM議連の幹事長という経歴もある。 総裁選に際し党員投票の実施を求め党所属の国会議員145人の署名を二階幹事長へ提出したのが岸田派若手のホープ、自民党青年局の小林史明局長だ。しかし、この小林議員も昨年6月、地元広島で平和大使協議会が主催した反LGBTセミナーへ祝電を贈っていたことが発覚した。このセミナーにおいて国際青少年問題研究所所長の肩書きで講演を行ったのは教団の政治組織である国際勝共連合本部の青津和代本部長だ。 祝電を贈った経緯や統一教会及びその関連団体との関係・選挙等の支援の有無などを小林議員の国会事務所に問い合わせた。小林議員の事務所はこの祝電について「電報の文面にありますとおり、地域の方々が参加している会合に対し、その参加しているみなさんのご多幸をお祈りしたまでです。支援のあるなしに関わらず、地域の活動に対し、要請があれば基本的に対応しています」と答えている。支援を受けているか否かについては言及がなかった。夜のテレビ出演の合間に、地元から上京してきてくれた妻が食事を作ってくれました。
— 岸田文雄 (@kishida230) September 1, 2020
ありがたいです。#岸田文雄 #自民党総裁選 #束の間のひととき #妻の手料理 pic.twitter.com/tWWgML58l2
教団との関係は新政権でも継続&深化か
すずきえいと●やや日刊カルト新聞主筆・Twitter ID:@cult_and_fraud。滋賀県生まれ。日本大学卒業 2009年創刊のニュースサイト「やや日刊カルト新聞」で副代表~主筆を歴任。2011年よりジャーナリスト活動を始め「週刊朝日」「AERA」「東洋経済」「ダイヤモンド」に寄稿。宗教カルトと政治というテーマのほかにカルトの2世問題や反ワクチン問題を取材しイベントの主催も行う。共著に『徹底検証 日本の右傾化』(筑摩選書)、『日本を壊した安倍政権』(扶桑社)
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この連載の前回記事
2020.06.27
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