高値更新につぐ更新。異常に盛り上がる米国株を「はっきり」バブルだと考える4つの理由<闇株新聞>

素人が狂ったように株式市場に参入している現状

その3  バブルの「あだ花」をもう1つ。手数料ゼロで急成長している米証券会社のロビンフッドは、未上場であるが時価総額1.2兆円の評価で2億ドルの資金調達に成功した。  ロビンフッドのビジネスモデルは、手数料無料で搔き集めた1日430万件もの株式注文を、そっくりシタデルや2シグマや、その他のHFT(超高速取引業者)に有料で販売している。つまり一般顧客の株式注文を「サメが泳ぐプールに投げ込んでいる」ことになる。  もちろん健全ではなく長続きもしないと思うが、ここでロビンフッドの時価総額よりも、1日430万件もの株式注文を米国人が出しているところこそ「バブル」である。その中には1200ドル支給されたコロナウイルス給付金を「そっくり」つぎ込んだ者も多い。  まさに「素人が狂ったように株式市場に参入してきたらバブルの最終段階」である。

いくらなんでもそろそろ冷静になる必要

その4  イーロン・マスクの個人資産が836億ドルとなり、ジェフ・ベゾス(1906億ドル)、ビル・ゲイツ(1140億ドル)、マーク・ザッカーバーグ(990億ドル)に次ぐ世界第4位となった。上位4名とも今年になって個人資産を大幅に増加させたことは同じであるが、マスクは年間生産台数が僅か40万台のテスラの「創業者」ですらない。  世界の大半がコロナウイルスの影響で苦しんでいる中で、「よく考えるとおかしい=やっぱり米国株はバブルである」となる。トランプも株式の売却益減税(20%から15%)だけはやめた方がよい。   まだあるかもしれないが、すべて「最近になって目についたバブルの兆候」ばかりである。「バブルとは、バブルだと心配するものがいる間は決して弾けない」ともいうが、いくらなんでもそろそろ冷静になる必要がある。 <文/闇株新聞>
‘10年創刊。大手証券でトレーディングや私募ファイナンスの斡旋、企業再生などに携わった後、独立。証券時代の経験を生かして記事を執筆し、金融関係者・経済記者などから注目を集めることに。2018年7月に休刊するが、今年7月に突如復刊(「闇株新聞」)。有料メルマガ配信のほか、日々、新たな視点で記事を配信し続けている。現在、オリンパス事件や東芝の不正会計事件、日産ゴーン・ショックなどの経済事件の裏側を描いた新著を執筆中
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