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8月の半ばに、米Apple社が、梨のロゴの会社を訴えたというニュースが入ってきた。Apple に訴えられたのは、食事の支度準備アプリ
Prepear だ。ちなみに、この梨のロゴは、Appleのリンゴのアイコンとかけらも似ていない。アイコンは洋梨を模したもので、まったく違う果物であるし、形も色も似ていない。似ている部分があるとすれば、いずれも果物を模しているところだけだ(参照:
ギズモード・ジャパン)。
この訴えを受けて、
Change.org では署名がおこなわれている。記事執筆時点で22万8000人の署名が集まっている(参照:
Change.org)。Apple の振る舞いは、好意的とは言いがたい反応をネットで招いている。
少し前には、
ペンパイナッポーアッポーペンの商標登録に、Apple が異議申立をおこなったというニュースが日本でも話題になった。アッポーペンの部分が、Apple の製品の APPLE PAY や APPLE PENCIL を侵害しているという訴えだ。この訴えは特許庁によって、非類似の商標として退けられた(参照:
商標審決データベース、
Yahoo!ニュース)。
Apple は、こうした訴えをよくおこなっている。小さい企業なら、こうした訴えを起こされるだけで人的、金銭的負担で業務が止まる。そこを狙っての訴訟だろう。
Apple は自身のサイトに、
Apple商標および著作権使用に関するガイドラインというページを用意している。そこでは、このように書かれている。
> 3. 変形、パロディ化または省略
> いかなる目的においても、果物のりんごまたはその他Appleロゴの変形版を使用することはできません。また、いかなる目的においても、Apple商標の変形版、同音異字版、外国語版、パロディ化したものまたは省略版を使用することはできません。
洋梨は、果物のりんごとは無関係だ。それ以前に、いかなる目的でも果物のりんごを使用できないとは大変だ。
このように、自社の名前や製品にこだわりを持つ Apple は、商標というものを適性に扱ってきたのだろうか。Apple は、自社の社名の商標について、有名な訴訟をおこなっている。
ビートルズによって設立された Apple Corps との訴訟だ。この経緯を知っている人たちにとっては、Apple が繰り返す周囲への訴訟は、
過剰な自己防衛ではないかと感じられる。
Apple が、Apple の名前を自由に使えるようになるまでの話を、今回は書いていこう。