「ブサイクには色んな類型がある。僕はいじめられるというより、威圧感を与えるタイプ」(ぶさいく氏)
伝えたいのは「ありのまま、ブサイクである自分を認めて生きること」
「ブサイクはブサイクであることを覆い隠さず、ありのままで生きても良い」ということを訴えたいという、ぶさいく氏。7月末のサービス開始からすでに3件の依頼をこなしている。
本人の「
note」にも掲載されているが、初の依頼は、夫の他に2人の彼氏がいるという30代既婚女性。帝国ホテルでのアフタヌーンティーに誘われ、「狙った男は逃さない」と話す彼女の話を聞くというものだった。
その方法は男性の腕を掴み「ホテルに行こう」とささやくという直接的なものだそうで、ぶさいく氏も帰り際に誘われ「『ぎょ!!!!!!!!!!!』という大声」(原文ママ)を上げる、ブサイクらしさが溢れる結果となった。
二件目は、阿佐ヶ谷のイタリアンレストランで女性二人を相手に「恋バナ」をするというもの。ぶさいく氏が二人に自身の恋愛観を話すと、「つまんない」「めっちゃ普通」「底が浅い沼」等の罵声を浴びるも、「でも3Pは向いてそう」と突然の“評価”を得るなど予測できない展開に。最後は二人から交互に誘惑をされ、「1回目に続き痴女のガス抜きの場になりつつある」(原文ママ)と見解を記している。
三件目は、初の男性からの依頼だった。現在はUber eatsの配達員をしているという男性は、非常に多くの転職歴を持ち、そのさまざまな経験談を聞くことができた。最後に男性から夢は何かと聞かれ、15年来望んできた「
長澤まさみに会いたいという夢」を話したぶさいく氏であった。
いろんなタイプのブサイクを集めて、「ブサイク業」を始めたい
……と、このとおり、すでに個性的な依頼ばかりである。アカウント開設した当初に来た依頼内容も、以下のようにバラエティに富んでいる。
・アニメイトに入りたいが一人で行くのが恥ずかしいのでついてきてほしい
・容姿について悩んでいるので、どうやってポジティブになれたのか教えてほしい
・レンタルぶさいくの曲を作りたい
・行きたいお店に一人で入るのは嫌なので、ついてきてほしい
・ブサイクでも着られる服を作っており、そのモデルをしてほしい
新型コロナウィルス感染症対策で週に1度しか予約を入れられないが、9月までは当面、無償で依頼を受け付けるという。レンタルぶさいくとしての、最終的な目標は何か。
「太っている、優しいなどブサイクの類型は無限にあるし、ゆくゆくはたくさんのメンバーを集めて、ジャニーズ事務所の逆版のようなことをやりたい。頑張ってブサイクの需要を証明し、『ブサイク業を営んでおります』と言えるようになるのが夢ですね」
冗談半分のノリで始まったサービスであるものの、はからずも「ブサイクポジティブの実現」という大きなテーマに挑むことになったレンタルぶさいく氏。彼の今後の活躍がますます期待される。
<取材/HBO編集部 構成/安宿緑(
@yasgreen615)>