「新型コロナはメディアが作り出した」という典型的陰謀論
平塚正幸さんの主張は、新型コロナウイルスというのは「メディアが作り出したもの」であり、「PCR検査ではパパイヤでも反応する」というデマを信じていました。
さらに、「そんなに飛沫感染するというなら、わざわざ鼻の奥に綿棒を突っ込まなくても、口の前にプレパラートを置けばいいじゃないか」とも言っていました。この時点で、平塚正幸さんがどの程度感染症やウィルスについて理解している人なのかが分かると思います。
PCR検査というのは遺伝子検査なので、プレパラートを乗せて普通の顕微鏡で確認できるようなものではなく、そもそも新型コロナウイルスの大きさは、大変小さく、そこらへんの顕微鏡で見ることはできません。
また、最近は新型コロナウイルスの感染者がSNSで積極的に発信するようになり、日常生活に戻れないほどの後遺症に苦しむ様子が投稿されています。にもかかわらず、平塚正幸さんはこれらを嘘だと考えていて、「スーパーシティやムーンショット計画は政府が個人情報をすべて管理しようとするIT化計画」だとか、「SNSの書き込みもAIが書いているかもしれない」などと発言しています。陽性者の集計すらFAXでやり取りしているアナログ国家のニッポンで、こんなところだけAIが駆使されて、みんなに新型コロナウイルスの危険性を訴えるようになっていると主張するのは、論理性の欠片もなく、陰謀論としても随分と程度の低いものです。
問題の本質は「同じ思考の人間」が集まり、集金できてしまうこと
平塚正幸さんが「クラスターフェス」なるものを定期的に開催していることは把握していましたが、今日まで様子を見て来ました。しかし、せっかくみんなが気をつけて、いろんな飲食店が売上を下げながらも密を回避できるように座席を減らしたり、営業時間を短縮したりしているのに、こうした努力を台無しにする人物が現れたら、一生懸命頑張っている人たちの努力が報われなくなってしまいます。
この問題の本質は、平塚正幸さんが迷惑行為をする人間であるということではなく、「同じような思考の人間を集めている」ということにあります。結果、至るところで同じような陰謀論にハマっ人たちが、それこそウィルスのように思想を広げる行動に出ているのです。どこかのコンビニでは入口に「当店マスク不要です」の貼り紙をして、マスクを販売するコーナーに「新型コロナウイルスにマスクが不要だ」という主張を展開。このような思想を持つ人たちが着実に広がりを見せているのです。
平塚正幸さんは、立花孝志のスタイルを踏襲しているため、どんなに炎上しようとも、それは「自分たちの影響力の大きさを示している」と考えるタイプです。なので、みんなから本気で嫌われていても、「嫌いは好きの裏返しだから、放っておけないのだ」という脳内変換を起こします。
そして、こうした迷惑な活動も、最終的にはお金に結び付きます。国民主権党の街宣車を買うためのお金ということで、皆さんからの寄付を呼び掛けています。こうした発信をすることで、全国の同じ周波数の人々がお金を出してしまう構図です。平塚正幸さんは「日本から出て行け」というコメントに対しても、「俺は日本に住み続ける。俺という存在が日本の価値を高めるからだ」と反論しており、立花孝志と同様、自分こそ賢い存在だと本気で思っています。まさに劣化版の立花孝志です。
皆さんに悲しい現実をお伝えすると、平塚正幸さんは現在38歳です。これをやっているのが18歳そこそこの若造だったら「若気の至り」ということで、「もうちょっと勉強しろよ!」で不問にしてやるところですが、38歳という大人が陰謀論をこじらせ、さらには立花孝志の手法に学んでしまった結果、こうした人物が登場してきたわけです。うっかり国民民主党と間違えてしまう人がいるのですが、彼らがやっているのは「国民主権党」です。結局のところ、「NHKから国民を守る党」の分派だと思っていただければよろしく、宗教でも分派の方がより過激化する傾向があるように、下手をすれば今後、より過激なテロ集団に育つ可能性もあるわけです。