マスクを忌避する親の統制下にある子どもは、
自身の感染リスクだけでなく他者への媒介となってしまう危険も孕んでいる。もちろん、どのような思想を持つのは本人の勝手だが、それに振り回されマスク非着用を”強要”される子どもや感染リスクに晒される周囲の人にとっては、この上なく迷惑な存在である。
加えていうならば、現在、マスク着用はアメリカCDCやWHOでもコロナ感染防止の有効な防御策の一つとして推奨されており、世界的にもそれを忌避しているのはアメリカのトランプ支持者や一部の陰謀論者などである。
もちろん「他人から愚かだと指摘される行為であっても個人の領域に関する限り誰からも邪魔されない自由」つまり愚行権はある。山本太郎氏も昨年2月のマザリー主催講演において「政治的な主張や思想信条等は、いかなるものであっても、個人の自由。たとえ、それが論理的な矛盾、非科学的なものであっても、究極的には『それを信じる』ことは自由」と述べている。だが、今回問題視されているのは子ども自身やや周りの人への感染拡大の懸念であり、個人や家庭内で完結する話ではないのだ。カルトの2世問題と同様、極端な思想体系に嵌まった大人の愚かな行為に子どもを巻き込むことは、道義上も赦されることではない。
この一連の動きには日本母親連盟の動向に詳しい人物が相次いで反応を見せた。ジャーナリストの藤倉善郎氏は、政府が介護施設や保育園などの施設を対象に追加の布マスク8000万枚を配布することが報じられていた7月29日にこうツイート。
”『日本母親連盟が、マスクは危険だとして、子供へのマスク強要をやめさせる請願を全国の自治体に出そうと呼びかけています。ならば日本母親連盟はアベノマスク第2波を断固阻止すべきであり、マスクなしで安倍んちを取り囲む抗議活動が急務です。頑張っていただきたい』
〈参照:
藤倉善郎@やや日刊カルト新聞総裁|Twitter〉
7月29日、日本母親連盟に以下の要旨の質問事項を送信した。
・現在、請願書や要望書を日本母親連盟○○支部の名で自治体や教育委員会などに提出したか?提出済みならその提出先。予定提出先も
・札幌市教育委員会へ要望書を提出した「ママエンジェルス主催者」「札幌市のママたち」も日本母親連盟の関係者か?
・ママエンジェルスも日本母親連盟によるものか?
・『こども達の自由・未来を奪わないで…。~マスクを外して普通の生活を取り戻そう~コロナウィルスによるマスク着用に関する意見書』の作成に日本母親連盟は関わっているか>
・船瀬俊介氏による『第一次【マスクをはずして、外へ出よう!】運動宣言』運動に日本母親連盟は関わっているか?
・船瀬氏は「第二次の運動は【マスクをはずそう!デモ行進】」と呼びかけているが、日本母親連盟もこのデモ行進が実現した場合、参加するのか?
・マスク着用に反対する日本母親連盟のメンバーは自分の子どもをマスクなしで学校に行かせているのか?
・マスク着用に危険性があり無意味なのであれば、日本母親連盟としてはアベノマスクがさらに8000万枚配布されるという”アベノマスク第2波”は断固阻止すべきであり、主導した首相官邸をマスクなしで取り囲む抗議活動を行うべきではないかとの旨の指摘に対する見解
・マスクなし抗議デモ・抗議活動を行う予定、またはやる気の有無
・”へずまりゅう”がマスクをせず全国各地の人に新型コロナウイルスを感染させたことについてどう思うか?「日本母親連盟は、”へずまりゅう”容疑者をスカウトすべき」との意見をどう思うか?
翌日回答があった。
「鈴木エイト様 日本母親連盟総合受付です。いくつかご質問をお受け致しましたが、お答えすることは控えさせていただきます。理由といたしましては、藤倉善郎氏をはじめとする自称ジャーナリスト、およびやや日刊カルト新聞と呼ばれる媒体は、ジャーナリズムと到底呼べないレベルの媒体でしかなく、公平性が全く担保されていないからです。あしからずご了承いただきますよう、よろしくお願い申し上げます」
内海聡氏は以前、Facebookで筆者のことを〈「やや日刊カルト新聞のインチキライター。日本のマイナー組織潰しで必ず出てくる輩たち〉と記載していた。この回答にはそんな”内海節”が感じられる。
マスク強要反対呼びかけ前日、マザリー関西連合がマスクなし飲み会
西東京支部によるマスク強要反対呼びかけ前日の7月9日、日本母親連盟の兵庫支部ら関西連合は、大人数でのスタッフ“飲み会〟を開催。その様子が
Facebookに掲載されているが、参加者は誰一人マスクをしていないように見える。
山本太郎氏にも袖にされた日本母親連盟、新型コロナ禍において、罪のない子供が巻き込まれたり、感染拡大を促してしまうようなことにならないことを願わずにはいられない。
<取材・文/鈴木エイト(ジャーナリスト)>