すかいらーくグループの噴霧する霧は「安全」なのか?
では、すかいらーくグループが噴霧する「霧」は安全なのだろうか?
筆者が店頭で店舗責任者から聞いた製品名は、冒頭で書いたように「
アピノンエアー」といい、ネットの販売サイトなどには「安定化二酸化塩素」と表記されていた。
一方、取材を重ねていくなか、レストラン内での〝空間噴霧〟について、6月末にすかいらーくグループお客様相談室へ問い合わせた人物に話を聞くことができた。その人物が匿名を条件に語ってくれた内容は以下の通り。
「7月初めにすかいらーくから回答が来ました。新型コロナウイルス感染拡大防止の取り組みのひとつとして店内空間の除菌・抗菌を行う機器を設置しているとあり、使用している薬剤の名称は
〝アピノンAir〟。成分は私が指摘した安定化二酸化塩素ではなく、
チ・アルキル・アミノ・アリール・スルフォネート還元化水とアピザス。人体には無害で、人体に有害な次亜塩素酸関連は使用していないと強調されていました。ネット検索で出てくる安定化二酸化塩素を主成分としたアピノンAirはメーカーの新商品とありました。アピノンAirの有効性と安全性に関する科学的根拠や文献の提示、そしてメーカーの開示を求めたところ、すかいらーくグループにデータはなく、メーカーである株式会社ウォーテックへ問い合わせするよう促されました」
7月にすかいらーく側が示したアピノンAirの主成分、チ・アルキル・アミノ・アリール・スルフォネート(=ノンチ)とアピザスについてネット検索すると、カー用品メーカーと商業施設プロデュース企業が自社の製品を一般財団法人食品分析センターに安全性についての試験を依頼して出たものとするデータが出てくる(「
ノンチ成分について」及び「
aPIZAS資料」より)。そこには人体への安全性が謳われているものの、試験項目は眼刺激・皮膚刺激や経口毒性などであり、ミストとして空間噴霧したものを吸い込んだ場合にどのような影響が起こり得るかという吸入毒性についての試験結果の記載は見当たらなかった。
検索で出てきたノンチ成分に関する資料には、”複数の施設で噴霧されその実績が高く評価されている”との旨が記載されており、東京スカイツリーの名前も挙げられていた。そこで、東京スカイツリーに照会すると、スカイツリー建設時、併設する商業施設ソラマチにおいてノンチを床面の洗浄剤として使用したことはあるものの空間に噴霧した事実はないという。
7月中旬、報道関係の取材対応を行うすかいらーくホールディングスCEOオフィス広報チームへ、アピノンAirの有効性と安全性、公式サイトから空間除菌機器設置の記述を削除した経緯及び現在も噴霧を続けている理由などについて問い合わせた。
数日後、広報チーム担当者から〝確認の上、連絡する〟旨の返信があり、その翌日こう回答があった。
「弊社では、メーカーによる第三者機関での検査の結果、安全性が確認されているため、店舗内の快適な環境維持のために使用しております」
〝新型コロナウイルス〟や〝空間除菌〟などのワードは見当たらず、公式サイトからの削除についての回答はなかった。
果たして、すかいらーくグループで噴霧されている「霧」は何なのか? なぜ公式サイトから空間噴霧の文言が削除されたのか? メーカーによる検査とは何なのか? 次回、さらに追及していく。
<取材・文/鈴木エイト>