すかいらーく系レストランでミスト噴霧される謎の除菌液は大丈夫なのか? その正体を追ってみた

国民生活センターは二酸化塩素〝除菌〟商品に注意喚起

 2020年5月15日、独立行政法人国民生活センターは除菌や消毒を謳う商品に関する報道資料を発表。二酸化塩素については、新型コロナウイルス対策として消毒に活用することの有効性は確認されていないとしている。〈参照:除菌や消毒をうたった商品について正しく知っていますか? -新型コロナウイルスに関連して-|国民生活センター〉  また同センターではこれまでにも、首から下げたり部屋に据え置いての除菌を謳う二酸化塩素を主成分とする商品の安全性と有効性などについて報道発表をしており、そこには〝化学やけど〟〝気管への影響〟といった報告事例が記載されている。  二酸化塩素は塩素のような刺激臭を持つ気体で、空気より重く室内空間で噴霧した場合、ハイハイする乳幼児への影響を懸念する声もある。主な健康への影響は、気道、皮膚、および眼の刺激と指摘されているが、ヒトに関し信頼できる定量的データはないという。 〈参照:二酸化塩素による除菌をうたった商品-部屋等で使う据置タイプについて首から下げるタイプの除菌用品の安全性-皮膚への刺激性を中心に ともに国民生活センター〉  山形大学理学部の天羽優子准教授(溶液の化学物理専門、生物物理や化学物理が専門)は二酸化塩素について、こう指摘する。 「濃度が上がれば次亜塩素酸水と同じく健康被害が出ます

WHOと3省庁も推奨しない消毒・除菌剤の〝空間噴霧〟

 国民生活センターだけではない。消毒液による〝空間除菌〟については複数の専門家によって効果がない上に人体には有害になり得ると指摘されており、国内外の公的機関によっても、消毒液の空間噴霧について注意喚起が行われている。  厚生労働省・経済産業省・消費者庁が合同で新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について示した特設ページには、人がいる環境に消毒や除菌効果を謳う商品を空間噴霧することは吸入などによる健康影響のおそれから推奨されていないと掲載されている。  世界保健機関(WHO)も新型コロナウイルスに対する消毒について「消毒剤を小部屋、個室などで人体に対して空間噴霧することはいかなる状況であっても推奨されない」としており、厚生労働省も消毒剤の有効かつ安全な空間噴霧方法について、これまで科学的に確認が行われた例はないとしている。また同省は、薬機法に基づいて品質・有効性・安全性が確認され「空間噴霧用の消毒剤」として承認が得られた医薬品・医薬部外品はないと言及している。  また、消費者庁・経済産業省・厚生労働省の3省庁が合同で出した新型コロナウイルス対策ポスターにも有人空間での消毒除菌商品の空間噴霧を勧めていないと記載されている。
厚生労働省・経済産業省・消費者庁合同の新型コロナウイルス対策ポスター

厚生労働省・経済産業省・消費者庁合同の新型コロナウイルス対策ポスター(厚労省HPより)

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すかいらーくグループの噴霧する霧は「安全」なのか?
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