ロボットの活用が始まった高輪ゲートウェイ。「映える」駅舎で明朝体が炎上した理由とは

高輪ゲートウェイ駅、明朝体の謎

高輪ゲートウェイ駅

折り紙をイメージしたという駅舎デザイン。こちらの駅名表示も明朝体。

 高輪ゲートウェイ駅がコロナ禍のなかで3月14日に暫定開業した。JR東日本が進める「品川開発プロジェクト」という構想の中で設置された駅で、山手線の30番目の駅に当たる。  そして先月から、駅構内の消毒や利用客の手荷物の搬送などにロボットを活用するという実証実験も行われている。高輪ゲートウェイ駅は、これからの都市空間をどう作るのかの先駆的な実験が繰り広げられる空間でもあるのだ。  開業はすでにしばらく前のこととなってしまったが、当初話題を読んだのは、駅舎においてその名が明朝体で記されていて視認性が悪い、ということだった。そして、その原因として、まるで明朝体が諸悪の根源であるかのような表現も、ツイッターなどで多く見られた。曰く、看板はゴシックであるべきだ、看板に明朝体を使うのはおかしい、などと。  明朝体よりゴシック体の方が視認性が高い、というのは一般的な理解としてあるのも事実であり、駅舎の看板や駅名標は大概ゴシック体で記されている。明朝体がここまで攻撃されるのには、心も痛むのだが。

明朝体や隷書体で書かれた駅名標

 しかし、明朝体で駅名を表示する例もなくはない。
高尾山口駅

京王線の高尾山口駅も明朝体で駅名を記している。

 たとえば京王電鉄高尾線の終点、高尾山口駅がそうだ。ここは駅の入口だけではなく、ホームの駅名標も明朝体である。だが高尾山口駅のそれに対するバッシングが見られた、という話は聞かない。

ホームの駅名標も明朝体だ。

 また、みなとみらい線の馬車道駅、元町・中華街駅も駅名標を明朝体で表示している。  高輪ゲートウェイと同じ路線であるJR山手線でも、渋谷駅、原宿駅の駅舎は駅名を明朝体で記している。もっとも、原宿駅の場合は明朝体の駅名の下に、ゴシック体で駅名を記しているのだが。  だから、明朝体で駅名を記す例がなくもないし、それが少なくとも高輪ゲートウェイ駅のように炎上したともあまり聞かない。明朝体とは異なるが、箱根登山鉄道も駅名標や駅舎での表記にゴシック体ではなく隷書体を使用しているが、これも別段不満の声は上がっていないだろう。
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駅名やAIへの不満が「明朝体」に向けられた
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