島根県の事例からも数字で明らかになる「検査をすると患者が増える」説のデタラメさ
科学的正当性が全くない3つの説
要するに、悪い値を出すように設定された試験問題用の変数をそのまま「仮に」と持ってきて、「検査をすると患者が増える」論の論拠としてきたのです。これらは全く科学的手続きを踏んでいません。典型的なエセ科学です。「仮に」だからと許されることではありません。今ではトランプ大統領が本邦の国策翼賛エセ医療・エセ科学デマゴギーに飛びついてしまい、合衆国の人々を困らせています*。全世界の迷惑です。 〈*CORONAVIRUS IN CALIFORNIA No, President Trump, Testing Isn’t Causing California’s Case Counts to Rise/6/20タルサでの集会以後、トランプ大統領は、「検査をするから感染者が増える。」に加え、時々「実際に検査をしないことで感染者を減らしている国がある。」と発言している。該当する国は世界で本邦だけである。実際、BBCでもこの頃になると検査をしないで成功した国として保守党議員などによって本邦が挙げられ始め、BBCのニュース・アンカーを困らせていた。今では、パンデミックへの対応に大失敗した国として本邦は報じられ始めている〉 このようなエセ科学・エセ医療デマゴギーが本邦の医学・医療界を半年の間席巻し、膨大な国策医療ネグレクトを弁護することに使われてきました。そして、世界でも有数のコロナ大失敗国に本邦を転落させつつあります。これが現実です。 ”東方三医学博士”には、猛省をしていただきたいものですし、このようなエセ医療・エセ科学デマゴギーに同調し加担した人々や組織、メディアにも猛省を求めます。 さて、次回からは三度目の正直で前々回の続きに戻る予定です。 ◆コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」新型コロナ感染症シリーズ19 <文/牧田寛>なぜ日本の医師や医学生アカウントが感度/特異度/事前確率/事後確率、あのクロス表にコロッと騙されたのか、それはテストに出るので意味もわからず覚えたからです。ここに掘り返した初心者向けベイズ推定の教科書があるのですが章の最初のページにまさに入門問題として出てきます pic.twitter.com/cRuaSMyb5q
— 研究者「」@1copyからのRT-PCR (@uwemon) July 10, 2020
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まきた ひろし●著述家・工学博士。徳島大学助手を経て高知工科大学助教、元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授。勤務先大学との関係が著しく悪化し心身を痛めた後解雇。1年半の沈黙の後著述家として再起。本来の専門は、分子反応論、錯体化学、鉱物化学、ワイドギャップ半導体だが、原子力及び核、軍事については、独自に調査・取材を進めてきた。原発問題について、そして2020年4月からは新型コロナウィルス・パンデミックについてのメルマガ「コロラド博士メルマガ(定期便)」好評配信中
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この連載の前回記事
2020.07.23
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