コロナ休業で月収ゼロに。「会社にはきちんと休業手当を支払ってほしい」

「会社に裏切られた気分です」

新宿の夜景

※写真はイメージ

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、雇用調整助成金の制度拡充や休業支援金の制度創設が行われている。しかし大企業で働く非正規労働者はこのような補償から漏れてしまっているのが現状だ。  全国に飲食店やホテルを展開する企業のある店舗で働く50代の男性は、アルバイトとして週に5~6日、一日10~12時間働いてきた。毎月30万円以上の月収を得て生活費に充てていたという。  しかし新型コロナウイルスの感染拡大を受け、3月25日にはアルバイトを出勤させないよう、会社が各店舗に通知した。男性は休業手当を支払ってほしいと訴えたが、会社はそれを拒否している。 「これまで会社のためにと思い、人手の足りない店舗にヘルプに行くこともありました。働き方改革で労働時間が削減された後も、多い時だと月に220時間くらい働いていました。それなのに、休業手当を払ってもらえず、会社には裏切られた気分です。正社員には払っているのに、アルバイトには払わないというのはおかしいのではないでしょうか」

中小企業への支援策は拡充されたが…

 勤め先から休業手当を受け取れない人に対する「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」(休業支援金・給付金)が新たに創設された。月33万円を上限に休業前の平均賃金の8割を国が負担するものだ。  しかし対象は、資本金5000万円以下、常時雇用する労働者の数が50人以下(飲食店を含む小売業)の中小企業の従業員に限られている。男性が働く飲食チェーンは、資本金5億円以上、従業員数およそ1500人のため、男性はこの給付金を受け取ることができない。  
次のページ 
シフト労働者は休業手当を支払ってもらえない?
1
2
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会