AV女優にセクハラDMを送ってしまう男たち。認知のゆがみが性犯罪につながる!?

唯乃光さん

唯乃光さん

 日本は世界でも有数のポルノ大国だ。日本のAVは海外のポルノサイトでも人気があるが、国内では女優たちはただ作品の中で役を演じるだけでなく、「会えるアイドル」としてファンサービスも多く行っている。「ファンタジー」であるはずのAV作品の中だけに存在していたAV女優たちは、今やSNSをやっていて、いつでもDMやリプライを送ることができて、イベントに行けば会って話すことができる。  しかしAV女優たちがSNSでより身近な存在になった今、ファンの中には、勘違いをしたり、認知が歪んでしまったりする人も出てきている。

実際にレイプ願望があると勘違いしている人がいる

 2020年5月、あるAV女優がAV業界を引退した。彼女の名前は「唯乃光」。企画単体女優として、1年ほどAV業界に身をおいていた。  引退の直前、彼女はTwitterでAVユーザーが抱える「認知のゆがみ」を必死に訴えていた。そして、この発信を行うことで「業界に居づらくなる」ともつぶやいていた。  筆者は今回、実際に唯乃光さんにコンタクトを取り、彼女がAV女優として感じていた、ユーザーの「認知のゆがみ」による苦しみを本人の口から聞いた。

実際にレイプ願望があると勘違いしている人がいる

 唯乃さんはSNSでの被害について、こう語る。 「今、AV女優は個人でSNS発信をすることがほぼ義務になっています。SNSで交流することで、直接自分のファンをつけないと売れない。イベントに来てくれたファンとSNSでも繋がって、認知して……ファンと気軽に交流できるという意味では、SNSでもはとても便利です。でも、私たちはファンとクリーンに交流することがとても難しい。  リプライではクリーンな発言が多い人でも、DMというクローズドな場になるととたんに発言が卑猥になる。知り合いになりたい、セックスさせて、援交しよう……直接陰部の写真を添えてくる人もたくさんいます。  確かに私たちはAVに出て、エロを表現している。でも私たちは『女優』であって、演者なんです。私たちはそれぞれ女優業とは別に個人の価値観や性格を持っています。それを忘れて”ビッチ”や”レイプ願望がある女”など、作品の中の役割でしかない部分を私たちの本当の人間性だと思ってしまっている人も多いです」  男性器の画像や「セックスしたい」といったDMは、朝から晩まで一日に何十通も届くという。食事中も、電車での移動中も……もはや「陰部テロ」だ。AV女優もひとりの女性であり、私生活でセクハラをしたり、卑猥な言葉を投げかけたりしてもいいわけではない。しかし一部のファンは、そうしたことが分かっていないのだ。 「引退する前も、『陰部の画像を送るのはイヤだからやめてください』と何度か発信しました。でも、誰もそれをまともに受け止めない。実際に陰部を送りつけるような人は”イヤならAVやめろ”と言ってくるし、応援してくれているファンも事務所も”そういう発言はファンが減るからやめた方がいいよ”と言います。  AVはフィクションだけど、私たち女優はフィクションじゃない。でも、存在そのものをコンテンツだと思われていて、リアルな人間性が出る発言は”萎える”とフォロワーからは言われます。  そしてその風潮を作っているのはファンだけではなくて、業界にも原因がある。SNSはメーカーへのアピールツールとしても機能しているので、感情的な部分をSNSで出してしまうと、仕事をくれるメーカーさんにメンヘラで面倒そうな女と思われたら仕事がこなくなる、という暗黙の抑圧もあります。だから、イベントやSNSでのファンとの交流の中で、つらいことや怖いことがあっても、自分で声を上げることができず泣き寝入りしてしまう子も多い」
自分の男性器の写真を送ってくる人も

自分の男性器の写真を送ってくる人も

なぜ返信をもらえると思ったのだろう

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個人撮影会でセクハラをしてくるファン
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