財務大臣が「日本は単一民族」と語る日本、BLM運動で少しずつ変化していくイギリス

イギリス社会の反応と、小さな変化の兆し

ロンドンの街イメージ2 BLM抗議運動で多くの人々が各地でデモ行進を行う中、ジョンソン首相はこのように述べている。 「この国を気遣う人は皆、ジョージ・フロイド氏の死によって引き起こされた人種差別への抗議活動を無視することはできない。我々はより多くのことをしていかなければならないし、するつもりだ。政府横断的な委員会によって、雇用、健康状態、教育などのあらゆる点から不平等を精査していく時だ」  しかし、この首相発言に対して野党からは「人種間の不平等については様々な調査が行われてきた。調査の時は終わり、行動に移すべき時だ」と批判が出ている。  では、一般の国民の反応はどうか。「今回のジョージ・フロイド氏殺害と世界中で沸き起こったBLM抗議活動によって、過去の自らの人種差別的な発言や行動に気づき反省する人々が出てきている」と、いくつかのケースをあげてBBCは報道している。  また、今回BLM抗議活動には多くの白人も参加していて、前述したブリストルの奴隷商人を倒し、港に投げ入れた人たちの多くは白人だったことも指摘されている。  野党だけでなく多くの人が首相や法務大臣を批判しているが、少なくとも彼らは「イギリスに人種差別があり、アクションを起こさないといけないこと」は認めている。一般国民の間でも、小さくとも変化の兆しがあると見て取れるのではないだろうか。  翻って日本のことを考えると、2000年来「日本は単一民族であった」発言する財務大臣がいて、在日韓国人・朝鮮人へのヘイトスピーチも至るところで発生した。「人種差別がある」という事実すら、公式に認められてはいない。誇り高い“大英帝国”も、自分たちの植民地主義の誤りを認めたが、日本が己の過ちをきちんと認め行動に移せるのはいったいいつになるのだろうか。 <文・写真/谷口真梨子>
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