しかし陰性だからといって安心できるわけではない。たとえ感染していても、それが1~2週間前のことであれば、まだ抗体が作られていない場合もあり「陰性」になってしまう。心当たりがあるのであれば、医師に相談するべきだろう。
もし検査で陽性となった場合は、過去に新型コロナウイルスに感染したことがあるか、現在も感染していてすでに抗体ができているかのどちらかになる。
ただし、「偽陽性」も一定の割合で出現するため、過去の感染歴が確認できない場合には検査機関によるより精度の高い再検査や、直近の感染が疑われる場合にはPCR検査や抗原検査を行うことが必要になってくる。
石井聡医師
「無症状で陽性が出た場合、一体いつ感染したか分からないので、まだ感染力のあるウイルスを持っている可能性はあります。現時点で、感染を広げる危険性がないのかどうか、やはりより精度の高い検査が必要になるでしょう。ただ、当院では今のところ無症状もしくは軽い風邪くらいの症状で陽性だった人はいません」(石井医師)
石井医師によると、6月8日に検査を始めて以降、すでに約140人が検査を受けているという。(6月29日現在)なかには、福利厚生の一環として従業員に提供している企業もある。
検査の費用は、5000円(税別)。これまで患者や企業が1万円以上負担しなければならなかったことと比べると、価格を抑えることができた。
今回、筆者が検査を受けた九段下駅前ココクリニックだけでなく、全国の医療機関で導入が始まっている。感染していないかどうか不安な人は、こうした検査を利用してみてもいいだろう。
<取材・文/HBO編集部>