アフターコロナの物件価格下落の不動産投資。狙い目は業者が投げ売る「損切り物件」
働き方から余暇の過ごし方までライフスタイルを一変させたコロナショック。投資環境にもさまざまな変化が起こりつつある。新型コロナウイルスの感染拡大により、市況が大きく変わるなか、我々はどう勝負していくべきか。明確なプランを描く大家を直撃した!
’04年から不動産投資を開始、現在の所有物件は165室。これまでに好不況を経験してきたベテラン大家である寺尾恵介氏は今後の展望を次のように読み説く。
「リーマンショックと比べて、コロナショックの影響範囲は広大なため、『家賃が払えない人』がかなり増えるはずです。特に高価格帯の賃貸物件の住民には高給を得ていた職業の方もいるでしょうし、その影響はかなり大きい。ただ、その一方で生活保護が制度破綻しない前提に立てば、都内近郊で家賃月5万~6万円程度の手頃な価格帯の物件は空室のリスクが減り、大家目線で考えると物件運営も安定していく可能性が高いと見ています」
ただし、賃貸経営を支える保証会社の淘汰は懸念点だと明かす。
「滞納保証会社の経営悪化が心配です。すでに北海道で自主廃業した業者もあります。滞納保証会社は現状、監督官庁や業法が存在しません。なので、悪意がある業者は逃げ得が許される。本来であれば有事のセーフティネットになるべき存在が正しく機能するか……モラルハザードがはびこらないことを祈ります。潰れる保証会社かどうかは財務内容をしっかり見る必要がありますが、上場していないと情報が乏しいので自分で調べられることにはどうしても限界があります」
関東を中心にファミリータイプの区分マンションを多く所有する寺尾氏だが、現時点でコロナの影響はかなり限定的とのこと。
「この先行き不透明な状況で、新たに35年ローンを組んでマイホームを買って引っ越す人はかなり減っているので、ファミリータイプの賃貸は安定が続いています。ただ、これまでは退去後には実需層へ販売することでキャピタルゲインを得ていましたが、そっちは期待薄。そもそも現地に物件を見にいく人がいないですし、コロナ禍で転勤がなくなったり、結婚すら延期になったりしている状況なので、このあたりは仕方ありません」
物件価格は下落傾向……狙い目は業者が投げ売る「損切り物件」
先行き不透明だからこそファミリータイプ賃貸は安定
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2020.06.30
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