宇都宮・小池・山本……。都知事選3候補と直接会って受けた印象。都民は知事として恥じる必要ない人を選択しよう

小池百合子氏は「人を人として見ていない」と感じた

小池百合子氏

小池百合子氏

 一方の小池百合子さんは、ぼくが監事として関わっている「ap bank」が毎年行っていた「ap bank fes」に急遽参加してきたことで一緒になった。トークのために準備されたステージがあり、「そこならば……」という提言に乗ったという流れで小池さんが登場することになった。  彼女はステージに上がる前から、防衛大臣として「戦車をハイブリッドに」などということを言っていた。「戦車」は言うまでもなく人を殺すための装置だ。それがハイブリッドになったとして、「ハイブリッド車に轢き殺されて、エコでよかった」というわけがない。そもそもの発想が不真面目で軽薄なのだ。  当日のステージでは「我が家の環境大臣」というコピーで表彰状を渡していた。ぼくも受け取ったが、なんとも“だしに使われた”感が強かった。ステージで目を合わせようとしても、彼女の視線はぼくの頭の上に向いている。相手にされている感触もなかった。  ぼくのことを、自分のキャッチーなアイデアの引き立て役にしているだけ。この人は人を人として見ていないし、自分を売るために利用する対象としてしか思っていない人なのだと感じた。

まっすぐに人と向き合う山本太郎氏と知り合えたことに感謝

山本太郎氏

山本太郎氏

 そして3人目にお会いしたのが「れいわ新選組」の山本太郎さんだった。初めて会ったのは、松田美由紀さん、岩上安身さん、小林武史さん、岩井俊二さんらが発起人となって立ち上げた「ロックの会」だった。「3.11以降」に集まったグループで、初回が6月9日だったことから「ロックの会」という名前にして、「日本、そして世界を、地球を、未来に繋げていくための会」として立ち上げられたものだった。  ぼくはその会に呼ばれていた。人の顔と名前を覚えるのが苦手で、よく知っている顔を見かけたが名前は出てこなかった。そこで頭を下げて会釈した。それが山本太郎さんだった。山本さんはYouTubeでぼくの顔を知っていたようで、自らぼくに近づいてきてくれた。そして彼はぼくと初対面であることを知っていたようで、「どうも山本太郎です」と名乗ってくれた。  なんとも人好きのする人で、彼とはずっと友達でいたいと一瞬で思った。そんな風に感じたのは京都大学原子炉実験所の助教だった小出裕章さん以来だ。初めてお会いしたとき、お互いに名前は知っているものの、初対面だったのだ。「お会いするのは初めてですよね、不思議な感じです」と、どちらともなく話し始めた。  それから山本太郎さんとは、福島県をはじめ各地のイベントで同席した。まっすぐに人を見る人だ。少なくとも、まっすぐに向き合ってもらえている安心感がある。彼に知り合えたことに感謝したくなる。
次のページ 
玉城デニー沖縄県知事に人種差別的なヤジを飛ばした小池百合子
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会