宇都宮・小池・山本……。都知事選3候補と直接会って受けた印象。都民は知事として恥じる必要ない人を選択しよう

 都知事選で東京が騒がしい。少し前まで東京に住んでいたし、23区内に勤めていたこともあって、遠い世界のような気はしない。加えて東京にいた頃には、ぼくは今より世間にずっと知られてもいた。おかげで都知事候補のうちの3人とは直接会ったこともあるし、知り合いでもあった。

ぼくは、全国でもほぼ唯一の“サラ金問題に対処できるケースワーカー”だった

宇都宮健児弁護士

宇都宮健児弁護士

 ぼくが最初に知り合ったのは、元日弁連会長の宇都宮健児さんだった。もちろん知り合う前から宇都宮さんのことは知っていた。というのは、ぼく自身も多重債務者問題には大きな関心を寄せていたからだ。  当時、ぼくは今もなお市民自身が立ち上げた非営利バンク「未来バンク」の代表をしていて、「サラ金問題」を何とかしたいと考えていたからだ。  実は、サラ金問題にはそれより前から気にしていた。ぼくが区役所で生活保護担当のケースワーカーとしとして働いていた時、すでに生活保護受給者の中の多くの人が、サラ金に追われていた。  ケースワーカーとして生活の立て直しをしようとしても、サラ金への返済の壁が立ち塞がっていたのだ。しかし生活保護が受給できるということは、返済できる余裕はないということ。返済に困ったら自己破産するしかない状態にあった。自己破産すれば返済の義務はなくなり、再生の道を進むことができる。  ということは、「自己破産」を盾にしてサラ金への返済を断るという方法もある。しかし多くの債務者は、自己破産どころかサラ金の返済を断ることすらしたがらなかった。  そこでぼくは本人に代わってサラ金業者との交渉をしたいと思った。しかしそのような交渉を弁護士以外の人がすることは、「非弁行為」として固く禁じられている。  そこで勤め先の区が雇っている弁護士に相談してみることにした。「ケースワーカーとしてサラ金業者と交渉していいかどうか」と。弁護士は「明らかに良いとは言えないが、ケースワーカーとして交渉するのも仕方ないのではないか」という見解だった。それなら……と、あちこちのサラ金業者に連絡して交渉した。 「本来、生活保護費からは一銭も返せないのですが、本人としては『切り詰めて少しでも返したい』と言っている。毎月些少な額だが返済するので、その代わりに残額は免除してもらえないか」と伝えたのだ。  今のような法定金利を超える返済が禁止されている時代ではない。業者も渋々ながら承諾する感じだった。おかげで、ぼくは全国でもほぼ唯一の“サラ金問題に対処できるケースワーカー”となっていた。

宇都宮健児氏は、多重債務者を救うために尽力してきた誠実な人

 その後、利息制限法を超える金利を「無効」として支払う必要がないように法律が変わった。その法改正の立役者となった宇都宮弁護士を、ぼくが知らないはずはなかったのだ。  その後ぼくは、非営利の「環境・福祉・市民活動」だけを対象にした市民立の「未来バンク」を立ち上げた。すると、宇都宮さんのおかげで成立した貸金業法の改正が議論されていた時、「法の改正をどう思うか」とのことで、非営利の市民立バンク「未来バンク」の代表 として国会に参考人として招かれたのだ。  同じ参考人陳述の場に宇都宮さんも招かれていた。ぼくは緊張のあまり宇都宮さんのことは見ていないが、そこに参加した仲間たちから「宇都宮弁護士が興味深そうに、歓迎するような視線で見ていた」と教えられた。  その時の「貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇号)」の参考人説明の議事録は、インターネット上にも残っている。  その後、宇都宮さんが都知事に立候補するとの連絡を受けて、応援演説を依頼されて一緒に街角に立った。宇都宮さんは、やはりぼくのことを覚えていてくれていた。  その時は、木内みどりさんと一緒に応援演説をした。木内さんもとても誠実な人だった。有名人だというのに、道端で宇都宮さんのビラを配っていたのを覚えている。  木内さんには、その後に早稲田大学で行ったシンポジウムにも出席してもらったことがある。「優さんに言われたことを断るわけないでしょ」と言ってくれた。亡くなってしまった(昨年11月)のは、とても寂しいことだ。その木内さんと2人で宇都宮さんの応援演説をしたことは、自分の心の中に大事な思い出として記憶されている。
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環境イベントを自分のために利用した小池百合子、まっすぐに人と向き合う山本太郎
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