相手の感情は目だけではなく、口元からでも識別できる! その具体的な方法

口は目ほどに物を言う!?

Gerd Altmann via Pixabay

 こんにちは。微表情研究家の清水建二です。前々回、マスクの上からでもわかる表情観察のポイントを紹介しました。眉や額のしわから様々な感情を推測できることをお見せしました。本日は、部分的な表情から感情を推測する技術の第二弾として、口周辺の部分的な表情から感情を推測する方法を紹介したいと思います。  「コミュニケーション中、相手の目を見ることが出来ない」  どんな方が、あるいは、どんなとき、こうした状態になるでしょうか。パッと浮かぶのが、コミュニケーション下手の方でしょうか。相手の目を見ると緊張してしまうため、会話中、相手の目を見ることが出来ず、相手の表情を誤読することで、テンポの合わないやり取りになってしまったり、さらに緊張度を高めてしまったりすることがあるでしょう。

相手の目を見ることが出来ないとき

 普段は、コミュニケーション下手でなくても、羞恥心や罪悪感を抱いているとき、あるいは熟考するとき、私たちは視線を下に落とします。その結果、相手の目を見ることの出来ない状態になります。  さらに、物理的な要因もあります。背の高さが違う者同士が会話をするとき、背の低い方が頭を下げることで、背の高い方は、背の低い方の鼻から上の部分が見えづらい、あるいは見えなくなるときがあります。  さらに、さらに、文化的な要因もあります。絵文字の「笑う」と「泣く」を想像して下さい。「笑う」は「^_^」、「泣く」は「>_<」「;_;」などを想像されたかと思います。「笑う」を「 :-) 」、「泣く」を「 :-( 」と想像された方もいるかも知れません。  前者は日本で使われている典型的な絵文字で、後者はアメリカで使われる典型的な絵文字です。両者を比べると、表情変化の根拠を、日本人は目に、アメリカ人は口に求めていることが推測されます。そしてこの推測が正しいことが、北海道大学の研究チーム(Yukiら、2006)によって証明されています。このことから私たち日本人は、口周辺の表情変化に敏感ではない可能性が考えられます。  この文化的な要因と先に挙げた3つの要因のいずれかが、あるいは複数が同時に生じるとき、相手の口周辺から正しく表情を読み、感情を推測することが難しくなると考えられます。そこで今回、口周辺から感情を推測する方法を詳述したいと思います。

口の表情から感情を推測する方法

 口周辺の動きから、幸福・嫌悪・軽蔑・怒り・悲しみ・驚き(興味・関心)・恐怖・熟考・感情抑制、感情のブレがわかります。次の画像から推測してみて下さい。まずはレベル1です。 レベル1  それでは解説です。  ①は軽蔑です。私たちが軽蔑を抱くと、左右どちらかの口角が引き上げられる、あるいは、左右非対称に口角が引き上げられます。左右の口角のアンバランス感と左右非対称のホウレイ線のしわがポイントです。なお、うつむく+軽蔑は、自分への軽蔑、すなわち自己卑下、罪悪感となります。軽蔑が向かう方向に注意が必要です。  ②は驚き(興味・関心)です。口が開かれるのがポイントです。  ③は怒り、あるいは熟考、あるいは感情抑制です。唇がプレスされたり、唇が巻き込まれることで口の周りに出来るしわがポイントです。どの感情かは文脈判断です。この動きが0.5秒ほどの微表情として生じれば、怒りでしょう。私たちは怒り感情を普通は顔に現すことを避けるからです。この動きが数秒生じれば、熟考か感情抑制でしょう。どちらにしても、こちらが会話の話し手ならば、会話はストップです。相手の理解が追いつく、あるいは感情が落ち着くまで待ちましょう。  ④は悲しみ、あるいは熟考、あるいは感情抑制です。口角が引き下げられ、下唇が引き上げられます。アゴに出来る梅干し状のしわが特徴です。どの感情かは文脈判断です。ちなみに某店舗の実証実験で使われた某表情分析AIは、この動きを全て悲しみとアウトプットしているようでした。
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表情認識AIが誤読する表情とは
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