年120万円の追加現金一律給付が生活困窮者を救い、日本経済も復活する!?

経済学者や市民が財務省に申し入れ

財務省に提出

国民一人あたり10万円の一律給付の追加を求める要請書が財務省に提出された。担当者を通じて、麻生財務大臣にも伝えるという

 新型コロナウイルス対策として、特別定額給付金が国民一律で10万円が給付されることとなった。だが、コロナ危機による影響が非常に広範に及んでいるため、政府が想定する困窮者への対策では、救済されない人々があまりにも多いことが懸念される。  また、コロナ危機による日本経済へのダメージは極めて甚大で、その回復は数年越しになるとの分析もある。こうした中、困窮している人々の救済や日本経済の回復のため、「追加の一律給付」を求めて経済学者や市民が財務省に申し入れを行った。  政府は第二次補正予算を変更し、国民一人あたり10万円、できれば20万円の一律現金給付を追加で行ってほしい――。井上智洋・駒澤大学准教授や、日本ベーシックインカム学会理事で、雑誌『猫のように生きる』(※)監修の増山麗奈氏など、経済学者・市民の有志が「コロナ危機下の生活の安定のため」として、麻生太郎財務大臣宛てで要請書を財務省に届けた。 ※『猫のように生きる』(クラブハウス)は、コロナ時代をいかに生きるかをテーマとする雑誌。増山氏らの「20万円給付を求める申し入れ」を契機に刊行された。

現在の支援策では、生活困窮へと追い込まれる人々が激増する

 安倍晋三首相も「世界経済がリーマンショックとは比較にならない、まさに100年に1度の危機を迎えている」と5月14日の会見で語った通り、緊急事態宣言が解除されても人々の生活再建にはほど遠い。だが、5月27日に閣議決定された第2次補正予算案には追加の一律現金給付は盛り込まれなかった。  財務省の申し入れで、井上准教授は「非常に残念。予算案の見直しが必要です」と語った。 「政府はさまざまな支援策を予定していますが、コロナ危機の影響があまりにも広範囲にわたっているため、多くの人々が支援の網の目から漏れてしまいます。  10万~20万円の給付が行われるという『学生支援緊急給付金』も、給付を受けるのは1割程度と、対象が狭すぎます。所得が低いひとり親世帯には、3月中旬から仕事がまったくないという世帯もある。政府が予定している、子ども1人の場合で5万~10万円の『臨時給特別給付金』だけでは暮らしていけない恐れがあります。  非正規労働者では失業手当がもらえない場合が多いですし、正規労働者でも住宅など多額のローンを抱えていたり、歩合制のため収入が激減したりといった場合は、生活困窮へと追い込まれます。政府が想定する困窮者に絞って支援するだけではなく、追加の一律現金給付が必要です」(井上准教授)

支援金額が増えれば増えるほど日本経済は回復する

財務省前で。申し入れのメンバー

財務省前で。申し入れのメンバー

 コロナ危機による日本経済の落ち込みも、数年間は続くとみられる。申し入れ呼びかけ人の一人で「日本経済復活の会」代表の小野盛司氏は、『日経新聞』のNEEDS日本経済モデル(『日経新聞』による膨大な蓄積データを活用した経済予測ツール)による経済予測データが極めて厳しいものとなっていることを指摘する。 「最新の5月の予測では、コロナ危機により540兆円強から500兆円強へと激減した名目GDPは、2022年の第一四半期(1~3月)になっても約530兆円で、まだ回復できないとみられています。コロナ危機の自粛による個人消費の落ち込みが日本経済を悪化させているのです」(小野氏) 「コロナ危機で壊滅的な打撃を被った日本経済の立て直しには、大胆な財政出動が必要」と小野氏は強調する。 「私たちはNEEDS日本経済モデルを使って、政府がもっと大規模に現金を給付する場合にどうなるか計算してみました。その結果、支給金額を増やしていくとV字回復が鮮明になり、支給額が増えれば増えるほど名目GDPは拡大していくことがわかりました」(小野氏)
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年120万円追加支給で、2年後にGDP600兆円超え!?
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