渋谷警察署前の抗議行動に対し、40人の警官が人間バリケード
渋谷駅周辺で行われたデモの様子
5月30日15時。渋谷駅周辺で約200人の市民が「差別警官、懲戒免職!」などと訴えながら、渋谷警察署に抗議の声をあげるデモ行進を行った。
デモ終了後も200人のほとんどが渋谷警察署前に赴き、「暴力反対」と抗議の声を上げた。これに対し、正面玄関前では約40人の警官が人間バリケードで固めた。
人間バリケードを作る警察官たち
デモ参加者の一人が、実際は侵入していないのに(映像が残っている)「建造物侵入罪」で現行犯逮捕され、その様子を近くの歩道橋から多くの一般市民が凝視。現場は騒然たる雰囲気に包まれた。
コトの発端は5月22日。渋谷区内で在日15年のトルコ国籍のクルド人男性チェリク・ラマザンさん(33歳)が車を運転中に職務質問を受けたのだが、
足を蹴られたり、首を抑えられるなどの威圧行為を受けたことへの抗議行動だった。
その様子を車内にいたラモさんの友人がスマホで撮影。その映像がTwitterに投稿されると数日で視聴数が100万回を超えるのだが、それを見た一人である鈴木堅登さんはすぐに渋谷警察署にデモ申請をして、今回の抗議行動が実現した。
「日本人として恥ずかしい」。Twitterの映像を見て集まった
デモ終了後、渋谷警察署前にはたくさんの人が集まった
鈴木さんは入管問題に携わり、デモは何度も主宰している。渋谷駅に集まった人たちは、ほとんどが初めて見る顔だったという。何人かのデモ参加者に尋ねてみると、
「Twitterで見た映像に黙っていられなくなった」「日本人として恥ずかしい」といった回答が返ってきた。
5月25日にはアメリカ・ミネソタ州ミネアポリス市で、白人警官が黒人男性を制圧しての死亡事件が起きたことで
「今回のことがクルド人じゃなく白人だったら、事件は起きなかったのでは」との関心から参加した人もいた。