撤収し、日比谷公園内に
検察庁前で30分ほど揉めただろうか。麻雀を始めることすらできず、主催者は撤収を決定。キャスター付きの雀卓を押しながら、日比谷公園を目指した。雀卓の後を、参加者や警官(たぶん)たち数十人が大名行列よろしく行進する。
その間も、参加者たちを撮影する警官(たぶん)や身分を明かさない警官(たぶん)との間で押し問答が続いた。
ある警官(たぶん)は、身分の提示を求めた参加者に対して「
教える筋合いはない」と言い放った。さらに、同じ警官(たぶん)が、参加者につきまとって歩きながら「
ぶつかったら公妨(公務執行妨害)で逮捕だからな」とも口走った。
日比谷公園に入っても警官(たぶん)たちがついてくる。先ほどは「道路交通法」を盾に邪魔をしていたが、
日比谷公園は道路ではない。
公園の奥にある「健康広場」の隅で、主催者が再び卓の準備を始める。再び警官(たぶん)が群がり、「やめてください」などと
「お願い」の体を装いながら邪魔をする。
警官(たぶん)の数は検察庁前よりもさらに膨れ上がり、正確に数えてはいないが最終的に60~70人にはなっていただろうか。
「黒川杯」の主催者・参加者・取材者は20~30人程度だ(主催者発表では「
参加者100人、うち警官60人」)。
しかも
検察庁前のときより乱暴だ。参加者の一人は
警官(たぶん)に押し倒され、地面に転がされた。
公園の広場内で遊んでいる家族連れなどが怪訝そうにこちらを見ている。ここでも、
騒ぎを大きくしているのは警察の方だった。
公園長を名乗る人物が、公園事務所員らしき男性を従えてやってきた。
「公園内の占用はやめてほしい」(公園長)
「将棋ならいいんですか。バドミントンのほうがよっぽど危険。レジャーシートを敷いてキャンプをするのもいけないんですか」(参加者)
「公園は緑と癒やしの空間で」(公園長)
「麻雀で癒やされる~」(私)
警官(たぶん)たちは、ここでは「
公園の管理者がやめてくださいと言っている」という理由で、麻雀開始の邪魔をするようになった。
「警察は(公園側と黒川杯側の)
民事に介入すんなよ!」(参加者)
「これは公園の正規の利用ではありませんから」(警官(たぶん))
「公園の正規の利用って何ですか。
公園の清く正しい利用って何ですか」(参加者)
「
ここは遊ぶような所じゃない」(警官(たぶん))
「公園法で決まっている」(警官(たぶん))
「公園法何条ですか?」(参加者)
「
公園法で麻雀禁止なの?」(私)
「……」(警官(たぶん))
何か言うたびに参加者たちから言い返され、結局は
言葉ではなく手や体を使って物理的妨害に走る警官(たぶん)。
女性参加者が切々と警官(たぶん)に訴えかける。
「
なんで黒川さんが麻雀やっていいのに、私達は警察に邪魔されなきゃいけないんですか。黒川さんにさせてくれた麻雀を、私達にもさせてください! どうしても麻雀したいんです!
黒川さんは楽しく、朝日の新聞記者と、産経の新聞記者と、楽しく麻雀してました。私達も彼らのように、楽しく麻雀したいんです! (黒川氏の写真の方を見ながら)『麻雀のおかげでぼくは、この、安倍(晋三首相)さんに気に入られるような位置にまで上り詰めることができた』と。この顔が、まさにおっしゃってるじゃないですか! 私達も麻雀のおかげで皆さんとコミュニケーションを密にとり、仲良くなりたいんです。もっともっと登りつめて、安倍さんに感謝の念を伝えたいんです! 麻雀をさせて下さい」
「ダメです」(警官(たぶん))
そしてついに牌が並べられ、麻雀が始まった。
警官(たぶん)が打ってるようにしか見えない
私は麻雀がよくわからないが、最初は私の脇で打っていた女性参加者が「リーチ」。ほどなく「ツモ」。女性は初心者だというので、私が中継していたツイキャスの視聴者に手牌を見せてアドバイスをもらっていたが、一度上がった後は他の参加者からこれを禁じられてしまった。その後、私の向かい側で、卓の正面に匂い立ちで陣取る警官(たぶん)たちの間から手を伸ばしながら打っていた男性参加者が「リーチ、一発、ツモ」とかいうもので上がった。
この間も警官(たぶん)が参加者に話しかけたり手や体で遮ったりし続けた。
写真だと、もはや警官が麻雀を打っているようにしか見えない。
午後4時半になった。「健康広場」の閉園時間だ。東3局で終了し、「半荘で賭け成立」の条件を満たさなかったため、金銭のやり取りはできなかった。