コロナによる失業や就職難学生のために、受講料を全額免除で保育士資格取得をサポート!? 保育人材会社の試み
慢性的な人材不足にあえぐ保育の現場と、今仕事を必要としている人をつなぐサービスがある。
保育業界の人材教育、人材紹介を行うキャリアフィールド株式会社は4月21日より、新型コロナウイルスをきっかけに失業した人や、就活が停滞した学生を対象とし、100人限定で受講料全額免除で保育士養成講座を受けられる取り組みをスタートした。
同社の都築裕一社長は、「いまは大変な時期。保育園と求職者の双方の力になれれば」と話す。
保育業界は人材不足の状態が続いている。
保育士の有効求人倍率の推移を見ると、2015年(2.44)、2016年(2.76)、2017年(3.40)、2018年(3.64)、2019年(3.05)と上昇傾向にある。2019年には低下したものの、全業種平均(1.60)と比べると依然として高い。特に人口が密集する東京都(5.23)は他府県に差をつけており、採用難の状況だ。
政府は待機児童問題解消を掲げ、保育の受け皿の拡大を目指していることから、保育士の確保は保育業界が直面する課題となっている。
一方で新型コロナウイルスの影響で勤務先が休業や廃業し、職を失った人にとっては、今後のキャリア構築や就職をどうするかが問題だ。キャリアフィールドの取り組みは、人材を求める保育業界と求職者をつなぎ、双方の希望を満たす役割を果たす。
受講料の全額免除対象となるのは、「新型コロナウイルスをきっかけに、解雇や内定取り消しとなり失業した人」と「就職活動中の学生で、同様の理由で就活の停滞を余儀無くなされた人」の2パターン。
受講申し込み時、解雇や内定取り消しをされたことの証明は必要なく、自己申告でよい。1次面談では、応募者に保育士試験の受験資格があるかをチェックする。
「保育士試験の受験資格には細かい規定があります。たとえば学歴では、2年以上通う専門学校卒以上であることや、大学中退であれば2年以上在学して62単位以上を有していることが規定されています。中学、高校卒の方の場合、保育園をはじめとした児童福祉施設で2年以上かつ2880時間以上の勤務経験があれば受験できます」(都築社長)
従来、保育士試験の合格率は約10%で、難易度は税理士試験に匹敵していた。近年は20%ほどに上がってきているとはいえ、それでも決して合格率は高くない。都築社長は「保育現場は忙しく、試験勉強に充てる時間が取りにくい現状があります」と話す。
だが受講料全額免除の取り組みでは、受講時間も仕事時間とみなされ、給与が支給される。応募者は保育園をはじめとした保育施設で働きながら週に1~2回は受講し、勉強に集中できるメリットがある。保育園側としても、入職希望者が実際に現場で働くことで入職後のミスマッチを防げるという利点がある。
資格取得後は、キャリアフィールドが提携する一都三県の保育園の中から条件の合うところを選び、正社員として就職することができる。この支援策は、キャリアフィールドと保育園との協力があって成り立っている。
パートとして保育施設で働きながら、週2回ほど通学
給与を受け取りながら、勉強に集中できる
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