議論を踏みにじるのは誰なのか? まともに答えぬ森法相と森法相を露骨に庇う松本委員長。これが現政権の議会の進め方
「#検察庁法の強行採決に反対します」デモの最中に行われた5月15日の質疑
森法務大臣の回答を集計した結果、下記の円グラフのようになった。
<色別集計・結果>
●森法務大臣:赤信号 90% 灰色 10%
*小数点以下を四捨五入しているため、合計は必ずしも100%にはならない
赤信号が実に9割を占めており、青信号は0%。つまり、質問には一言も答えていない。また、不要な言葉や意味不明な言葉を意味する灰色が10%もあり、理解しにくい場面が度々見受けられた。いったいどのような質疑だったのか詳しく見ていきたい。
実際の映像は筆者のYoutubeチャンネルで視聴できる。
検察に特化した具体的な基準の具体的なイメージは?

後藤祐一議員:「でも検察は仕事の性質がすごく特化してるんだから人事院規則どう書いていようと今言ったような、もっと検察に特化した、滅多にこれは適用できないような、説得力あるような基準をつくるつもりはないってことですか? 今の答弁は。本当に厳格な基準をつくろうというつもりあるんですか? 森大臣。」
ちなみにこの時、国会の外に集まったデモ隊の「強行採決、絶対反対!」等の声がはっきりと委員会室に聞こえている。
森法務大臣:「えっとー、後藤委員、あのー、ご存知であると思いますけれども、あの、一般の国家公務員法、おー、によっては現行の、あの、規則のうち、2と3、2号と3号が入って、えー、おりますが、検察庁法はそのうち3号のみにしておりますので、あのー、一般の国家公務員よりも枠をさらに、あの、狭くしてございます。そして、その枠を狭くしたものについて、まあ、人事院規則が第三者機関である人事院規則が定めた準則に従ってより具体的に定めてまいりたいと思いますし、そのー、おー、手続きも閣議了解等の適切な手続きをとってまいりたいと思います。うー、より具体的な、あー、要件を定めるべく、しっかり検討してまいります。(赤信号)」
後藤祐一議員:「具体的なって、今、今おっしゃったのは皆さんお手元2ページ目に書いてある第3号という大型研究プロジェクトチームと各、あのー、法務省局長の、おー、国会対応、各審議会対応、外部との折衝、外交交渉などを行う場合、と。何ですか、これ。何の役にも立たないじゃないですか。具体的な基準って、どんなイメージですか? ちょっと喋ってください。」
森法務大臣:「もう一度ご説明させていただきますと、現行法の11-8の第7条3号の、あの、要件に該当する場合が、あの、規則に入っていたものが今は法律の方にあげられておりますけれども、さらにその上で、えー、その法律に定めたものをさらに新たな規則で、えー、明確化していくということでございますが、人事院規則が新たに定まるのを待って、それに準ずる形でしっかりつくって参ります。(赤信号)」
後藤祐一議員:「それがどういうイメージなのか説明してくださいって言ってるんですよ。人事院規則は抽象的なものにしかならないんだから。検察に適用される具体的なイメージを、あのー、答弁ください。」
森法務大臣:「えー、今説明したとおりでございますが、新たな人事院規則に準ずるわけでございますので新たな人事院規則ができてない段階で、えー、説明することが大変困難なんでございますが、あー、適切により具体的な要件を定めるべく検討を進めてまいります。(赤信号)」
*「無責任だよ!」という声が他の議員からあがる
ここまでの質疑の内容を確かめていきたい。
まず、森大臣の答弁は3回の答弁において全て論点をすり替えており、赤信号とした。
1回目
【質問】新基準策定の意思
↓ すり替え
【回答】新基準策定の方針
2回目と3回目
【質問】新基準の具体イメージ
↓ すり替え
【回答】新基準の策定方針
新基準策定の意思を問われても、新基準の具体的なイメージを問われても、とにかく手元の資料に書かれている現行法や今後の曖昧な方針を述べるだけなので、質問と回答が全く噛み合わないことがおわかりだろう。
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