「(男性職員が)首を絞めて、あれは殺す気だったのかと……」
東京入管による女性被収容者への暴力に対して、抗議のデモが行われた
筆者は、南米出身の女性被収容者の夫(定住者)に、この時の話を聞くことができた。
「25日の騒ぎがあった日、妻から電話があったのは17時過ぎが最後でした。それから月曜の朝にやっと電話があって、ひどいありさまだったことを聞きました。妻は早く部屋に戻ったので、幸いなことにケガはありませんでした。
私は、4階の総務課と7階の処遇部門に『なぜ女性たちにそんなひどいことをするのか』と抗議をしました。しかし7階の職員は
『暴力など振るっていない、女性たちが嘘をついている』というようなことを言っていました」
この行動には参加せず、その光景を見ていた女性にも話を聞くことができた。
「
あんなに(男性職員が)首を絞めて、あれは殺す気だったのかなと思ったほど……。私は泣いて見ていることしかできなくて、みんなも泣き叫んでいて、私はあの日のことがトラウマになってしまった」
最後まで抵抗し、懲罰房に連れていかれたコンゴ難民の女性は、興奮して電話越しで泣き叫んでいた。
「私は女のコなのに……男にあんな酷い目にあわされて……。私の人生何なの!? 助けて!助けて!」
彼女は難民申請が認められず、2年以上も収容されている。
同じく懲罰房に連れて行かれたネパール難民の女性は、比較的落ち着いた様子で語ってくれた。
「私たちが暴れたりしたのなら制圧されても仕方がないと思えるけど、
私たちはただ部屋に帰らないで静かに立っていただけ。ただ話し合いを求めただけだった。入管はやりすぎだと思う」
彼女もまた、2年近く収容されている。
制圧時は男性職員に顔を床に叩きつけられ、そのショックで微熱と頭痛が毎日続いたという。
騒ぎから2日後の4月27日に仮放免が許可され、解放されることになった女性が3人ほどいた。しかしその3日後に、入管から代理人弁護士のもとに電話が来て
「仮放免をいったん止める」と言われたという。その理由は
「違法行為があった」としか告げられなかった。