「記者クラブ問題の議論を」フリー記者の問いかけに応えた安倍総理発言を内閣記者会が“黙殺”
7年3か月にわたる安倍政権の会見取材で、初めて指名された畠山氏

首相官邸ウェブサイトに掲載された、4月17日の会見の議事録。長谷川内閣広報官が、畠山氏の質問をさえぎってほかの記者に質問をふったことが記録されている
会見に参加させてもらえないジャーナリストからの質問をぶつけた
――記者クラブ問題について質問するということは、前から決めていましたか。
畠山:4月17日の会見前夜、ジャーナリストの寺澤有さんに「明日、首相会見がある。寺澤さんは申し込まないのか」とフェイスブックのメッセンジャーで話をしていました。寺澤さんが首相会見への参加を官邸側から拒否されていることを知っていたからです。
その際、記者会見での質問内容が話題に上りました。私は新型コロナウイルスの感染が拡大する中で行われる選挙や布マスクについて質問するつもりでしたが、寺澤さんから「記者クラブをどう思うか質問してよ」と提案がありました。
「コロナのことは他の記者が聞くはず。畠山さんがコロナのことを質問しても面白くない。記者クラブのことは畠山さんしか聞けない」と言われました。
寺澤さんは民主党政権時代から官邸記者会見への参加を申し込んでいますが、拒否されています。一方、私はなんとか参加することができています。参加できるのであれば、参加できない寺澤さんからの質問をぶつけることには意味があると考えました。
なお、寺澤さんが参加できない件については、菅直人首相時代の記者会見(2010年6月8日)で私が菅首相に質問しています。この質問中で私が「断られたフリージャーナリストの一人」と言っているのは寺澤さんのことです。
官邸会見は「1人1問」が原則とされています。4月17日の記者会見のときも、会見冒頭に司会進行役の長谷川内閣広報官から釘を差されていました。そのため「選挙の質問」をしたところで「1問」とカウントされて広報官に質問を切られてしまわないように、まるで関連質問であるかのように記者クラブについての質問を続けました。
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