bee / PIXTA(ピクスタ)
新型コロナウイルス感染症に関わる政府の「緊急事態宣言」が39の県で解除され、感染症対策は強く求められるものの、経済活動が徐々に緩和され始めた。
一部のパチンコ店は、自治体の自粛要請にも関わらず営業を続け社会的な批判を浴びる形になったが、今後は自治体の要請を受け協力休業を行っていたパチンコ店の多くも営業を再開する。
自治体と世間からあらぬバッシングも受けたパチンコ業界であるが、今後はウイルス対策の徹底を図りながら営業を始める。
しかし全国には9000店のパチンコ店があり、そのパチンコ店を運営する企業は3000社程度になる。そのすべてが十分な対策を取れるのかと言えば疑問符が付く。
本稿では、パチンコ店が取り組んでいるウイルス対策と、客側の視点から見る、対策が「出来ている店」、「出来ていない店」の見分け方について言及したい。
また主旨とは若干それるが、5月13日の記者会見において、
東京都医師会の猪口正孝副会長が「パチンコ店でクラスターが発生している」旨の発言をし、その後事実誤認だったとして訂正・謝罪している。(参照:
遊技通信web)
沖縄県以外の46都道府県にまたがり400店舗以上のパチンコホールを展開する
ダイナムは、「
新型コロナウイルスに関する当社の取り組みについて」と題し、自店でのウイルス対策を各チェーン店舗に向けて詳細に説明している。ここで説明していない内容も含めると、自治体からの要請内容や店舗設備にもよるが概ね、9つのカテゴリーで具体的な対策を明示している。
①営業制限:短縮、休日の入場制限、(地域住民限定)
②入場時:入場整理、1.5m~2m間隔での入場、検温、消毒、手袋配布(希望者)
③カウンター:トレイ対応、並び間隔、シートの設置
④店内環境:BGMの停止、風除室開放
⑤従業員:手洗い、うがい、手袋着用、無発声挨拶、出勤前検温
⑥遊技台:消毒、消毒済みPOP掲示、飛沫防止ボード設置、間引き、音量低減
⑦喫煙室:閉鎖
⑧レストスペース:雑誌類一時撤去、椅子等配置変更
⑨トイレ:ジェットタオル停止、手洗い動画放映
注目すべき点がいくつかあるが、その一つが
④の「BGMの停止」と
⑥の「音量低減」だろう。これは、
店内騒音を抑える事で、客同士が大声で話すことによる飛沫の拡散を抑えるためのもの。
もう一点が、
⑥の「飛沫防止ボード設置」と「間引き」営業。全国のパチンコ店が批判の槍玉に挙がった際に、西村担当相は「確かにパチンコは遊技台と向かい合いほとんど会話は交わさないが、隣同士で喋る場合もありリスクはある」旨の発言をしたが、
客の間に、かつては分煙ボードとして設置していた透明なアクリル板を「飛沫防止ボード」として転用し、隣同士の客の飛沫拡散を防止している。
この「飛沫防止ボード」が無い店では、遊技台の電源を2台に1台落とし、客同士が並んで座らないようにする、いわゆる「
間引き営業」を行う事で対応する。
新型コロナウイルスに感染するリスクをゼロにする事は、どの業種業態でも不可能であるが、そのリスクを出来る限り抑える努力は常に必要とされる。そのような観点から言えば、このダイナムの対策は、第三者的に見ても「
やることは十分にやっている」と評価できる。