実は前述のようなウイルス対策は、大手パチンコホール企業に限ったものでは無い。休業要請が解除され営業が再開された県の多くでは、自治体と県の遊技業組合が事前に話し合い、営業再開に向けたガイドラインを取り決めている地域も多い。
例えば岡山県では、県下すべてのパチンコホールに対して、「
岡山県知事からの営業再開に伴う要請(感染防止策)について」と題し、12点の対策を指示している。
1.入場者の整理(1メートル以上の間隔)
2.入場者へのマスク着用、従業員のマスク着用
3.有症状者の入場禁止(検温等)
4.手指消毒設備の設置
5.施設の消毒(共用部、概ね1時間毎)
6.施設内の換気(概ね30分毎に窓の開閉)
7.利用者の間隔(間引きかボード)
8.混雑時の入場制限
9.施設内で大声を出すことの禁止
10.施設内での激しい運動の禁止
11.遊技をしながらの食事の禁止
12.県外の居住者の入店禁止
岡山県にあるパチンコホールは約130軒。設備の整った近代的なホールもあれば、昔ながらのパチンコ屋さんもある。そのすべてが出来得る対策としてのこの12点である。これらの施策は、パチンコホールのみならず、県内の多くの業種業態の一つの指標となる。
このような営業のためのガイドラインは、岡山県に限ったものでは無い。パチンコ店への休業要請が解除されたほとんどの県において、このようなガイドラインは作成されている。
本稿の主旨は、客の視点から見る「
行って良い店悪い店」である。勿論、無理矢理にパチンコ店に行く必要は無いが、行く人は、
前述の対策がおざなりになっているパチンコ店には行かないことをお勧めする。
営業しているすべてのパチンコ店がしっかりと対策をしている訳では無い。逆に、近隣のパチンコ店が対策をしてないからといって、すべてのパチンコ店が同様な訳でも無い。足繁く通ったパチンコ店といえ、対策をしっかり講じているのかは、自分自身の目で見極めなくてはいけないという事。
パチンコ店も政府が唱える「新しい生活様式」を営業に組み入れ、現状における最善を模索し続けている。パチンコ店だけではなく、映画館やボーリング場、ゲームセンター等の娯楽系業種をはじめ、様々な業種で経営者たちは頭を悩ませ最適解を得ようとしている。
兎にも角にも、パチンコ店への休業要請を推進してきた行政や、多くの時間をパチンコ店批判に割いてきたメディアには、
「開いているのか閉まっているのか」ではなく、対策をしっかりと「講じているのかいないのか」を基準に、厳しく監視してほしいものである。
<取材・文/安達夕>