批判された立憲・福山哲郎議員の尾身茂副座長への質疑はどんなものだったのか? 全文起こして検証してみた

日本テレビ「スッキリ」の悪意ある切り取り報道

 問題となっている質疑で福山議員に抗議する理由は特に見当たらなかった。だが、質疑の翌12日、親政権的なフェイクニュースを発信するアカウントが作為的に切りはりした福山発言&動画のツイートが拡散され、 #福山哲郎議員に抗議します というハッシュタグで抗議がなされるという不可解な動きがTwitterで起きたことは記事冒頭にも伝えた。加えて、テレビ報道でも不自然な動きがあった。特に日本テレビ系列の朝の情報番組「スッキリ」は5月13日の放送でフェイクニュースと表現して差し支えないほど悪意のある切り取り編集によって、福山議員を貶めた。 20200511sukkiri 放送内容の一部を以下に書き起こす。 *尾身副座長の説明中に福山議員が「私が言ってることに答えてください」「時間ないです」「ちょっと短くしてください」と抗議した場面、説明後に福山議員が「全く答えて頂けませんでした。残念です」と述べた場面などのVTRを放送後、場面はスタジオへ MC・加藤浩次氏:「これね、尾身先生が言ってるのは、“現状、分からない”って言ってるんですよ。“この新型コロナに対して、今どれぐらいいるのか分からない”って言ってるのに、それが答えでしょって。それで、“ちゃんと答えてもらえなかったのが残念です”っていう、この言い方はねー、理解してんのかなー福山さんって、僕思っちゃんうんだけど。これ、宮崎さんいかがですか?」 コメンテーター・宮崎哲弥氏「あのー、私は福山さんが一体何を言いたかったのか、結局何を聞きたかったのかがよく分からないと思います。」  もし、まだ本記事の冒頭で紹介した質疑の約3分間のノーカット映像を観ていない方がいたら、ぜひ実際の映像を観た上で、この「スッキリ」の番組内のコメントを読み、そのデタラメぶりを実感してほしい。  コメントしている本人たちは編集されたVTRしか見ておらず実態を把握していない可能性があるとはいえ、加藤浩次氏と宮崎哲哉氏の認識は事実とあまりにもかけ離れており、視聴者のミスリードを誘う発言だと言わざるを得ない。  加藤浩次氏の言葉をそのまま借りれば、彼らのほうが「理解してんのかな?」と本気で心配せざるを得ない。 <文・図版作成/犬飼淳>
TwitterID/@jun21101016 いぬかいじゅん●サラリーマンとして勤務する傍ら、自身のnoteで政治に関するさまざまな論考を発表。党首討論での安倍首相の答弁を色付きでわかりやすく分析した「信号無視話法」などがSNSで話題に。noteのサークルでは読者からのフィードバックや分析のリクエストを受け付け、読者との交流を図っている。また、日英仏3ヶ国語のYouTubeチャンネル(日本語版/ 英語版/ 仏語版)で国会答弁の視覚化を全世界に発信している。
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