トラックドライバーも、「物流を停めない」という正義のもと日々走っているが、施設側にも「開放によって感染者が出れば閉店を余儀なくされ、店員も客も守れなくなる」という彼らなりの「真っ当な理由」や、「その判断に至る正義」がある。
そのため、「どうして閉めるんだ」、「物流を回しているのは俺たちだぞ」といった一部のトラックドライバーによる一方的な主張は、筋が違う。
他方、トラックドライバーの中には、シャワーやトイレの閉鎖が相次いだことで、自分たちがいかに周囲の協力を得て仕事ができていたのかに気付いたとする人も多い。
「シャワー完備してくれているガソリンスタンドと大型駐車場完備のコンビニが無ければ僕らは大変な事に……。この環境に感謝してマナー良く使わせていただきましょう」
「コロナの影響で一部のコンビニさんではトイレが借りられない状態です。仕方ないですよね。店員さんだって、掃除、消毒、(中にはペーパーの持ち出し)などもありますもんね。コンビニさん!いつもお世話になってます!でも、危機一髪の時には貸してくれるのは感謝!」
「毎朝利用させて頂くコンビニの店長は理解があって、トラックドライバー、現場仕事、外勤の方の事を気遣ってくれていた。感謝」
東日本大震災以来、空になったスーパーの棚に対峙したことで、世間にはトラックドライバーが欠かせない存在だという再認識がなされ、温かい言葉も多く聞くようになった。
有事の只中。互いの事情を汲み、理解しながら、共存・共生できる社会構造ができるといい。
<取材・文・写真/橋本愛喜>