こうしたトラックドライバーや一般客、さらには一部の加盟店オーナーからの強い要望もあったことで、ローソン本部からのトイレ使用禁止は、発表翌日に撤回された。
が、最終的な判断が店舗ごとに委ねられたことから、現在でもトイレ使用を禁止している店舗が目立つ。
さらにはこの「トイレ閉鎖」の動きが、他の大手コンビニや他商業施設でも徐々に広まりつつあり、トラックドライバーは現在も依然として「トイレ難民」と化している。
現場からは、
「トラックで寄れるコンビニのトイレがコロナで使えなくなってて膀胱が破裂しそうだしそろそろ尊厳まで失いそう」
「今日途中で回ったコンビニ、道の駅、ガソリンスタンド、お客さんのとこ全部トイレ、ごみ捨て禁止。世間が殺しに来てる。3:00から18:00までトイレ(大)我慢とかホント鬼」
「トラックを停めて入れるコンビニに行って、トイレを借りられないのはかなり困る。コロナだから仕方ないとは思うけど、高速以外では運転手は、コンビニに頼るしかないんだけど。ゴミ箱は使えなくても持ち帰れるけど、トイレは我慢できるものではない。運転手だけはトイレ使用可能って所は有難い」
と言う声が次々と聞こえてくる。
とりわけ、女性トラックドライバーにとってこのトイレ問題はより深刻だ。筆者も現役当時、トイレの少なさには非常に難儀していた。
中でも問題なのが「生理」だ。
拙著『
トラックドライバーにも言わせて』でも紹介しているが、筆者も現役時代、トイレが見つからず、ナプキンが取り換えられないことが多々あった。
帰社後、洗面所で汚れた座布団とショーツ、ズボンを手洗いする時の虚しさは、今でも忘れられない。それ以降、生理5日目であっても念のため夜用ナプキンを使うことが習慣になった。
もう1つ、こうしたトイレの減少によって現在個人的に心配しているのが「立ちション」や「黄色いペットボトル」問題の増加だ。
トラックドライバーは日頃からマナーが悪いと決めつけられることが多い。
このイメージは、一部の悪質なドライバーによって付けられたものではあるが、今後こうしたトイレ難民の増加が加速していけば、立ちションや黄色いペットボトルの投げ捨てが増え、彼らの評価がますます下がり、差別問題がより一層深刻になる懸念もある。
しかし忘れてはいけないのは、こうしたシャワールームやトイレといった商業施設は、あくまで店側の「厚意」で貸してもらっているということだ。