菅原の練馬事務所へ電話をかけ、チラシについて尋ねた。
電話口の秘書によると「ネット検索が不得意な高齢の方に少しでもお役に立つものを」と主要4紙の「朝日、読売、毎日、産経」に折り込みチラシを入れたという。かかった費用は練馬区の世帯数や各紙の同区内での発行部数から総額で80~100万円程度と推測される。
また緊急経済対策の金額(117兆円)が108兆円となっていることについては「チラシを作った時は印刷の関係で、早く出さないといけないので」と説明。
写真が掲載されている駅頭活動に関してはコロナの時期なのでやっていないと回答、しかし昨年9月以降行ってないのではと指摘するとこう弁明があった。
「ちょっとやったんですけれども、いろいろまぁごちゃごちゃご迷惑をおかけすることもあるのかと思って少しひかえておりました」
秘書は菅原本人が光が丘などで駅頭を行ったと述べたが、実際には筆者と藤倉善郎氏の取材によって秘書のみが行っていたことが判明している。
〈参照:
”菅原一秀前経産相、本人不在で秘書らが年始の駅頭挨拶。記者を見るや否や、自民党の幟をほったらかして一斉逃亡“|HBOL〉
有権者買収・公選法違反疑惑の説明責任を果たさないままの今回のチラシ配布に非難の声が挙がっていることについてはこう答えた。
「そういうふうなお叱りの電話も随分たくさん頂戴しておりまして、本人もちょっと歯がゆいところでございますが、やはり告発をされているという状況は変わっておりませんのでこの件に関しては法的な方向性がはっきり見えてきた段階で説明させていただきたいと」
続けて「支援者の方からは頑張ってやってほしい。国のために尽くしてほしいとご声援を頂いている」と秘書は力説したが、一方で「菅原の姿勢に反対される人」からは「
こういうことをやっている場合じゃないだろう」「
ちゃんと説明責任をしてからにしろ」との声が寄せられているという。
このチラシは新聞折込みだけでなくポスティングも行われている。
ハーバービジネスオンラインでも数々の疑惑を追及してきた菅原議員、有権者への説明責任を果たさず新型コロナウイルス禍に乗じてなし崩しに地元での政治活動を再開しようとしているとすれば代議士としての資質を改めて問われそうだ。
<取材・文/鈴木エイト(ジャーナリスト)>