すでにリモートワーク、テレワークを取り入れている人も課題を感じている。特に多かったのが「自分で自分の時間を管理することの難しさ」(42.8%)や「仕事とプライベートの区別がつかないこと」(40.4%)だった。
ほかにも「運動不足になること」(38.4%)、「上司・部下・同僚とのコミュニケーションがとりにくいこと」(37.7%)、「社内の情報が確認しづらいこと」(30.0%)といった問題点も挙がった。
これまでと仕事のやり方を変えることや非対面のコミュニケーションへの戸惑いを感じているようだ。「特に課題や難しいことはない」はわずか6.6%だった。通勤時間や移動時間が削減できることから、リモートワーク/テレワークの継続を希望する人が一部で見られるものの、普及には業種や働き方に対する考え方といった壁がある。
新型コロナウイルスが個人のライフスタイルに与える変化や不安についても調べた。
2020年2月以降のライフスタイルの変化を聞くと、39.1%の人が「職場での飲み会」が減ったと回答。「友人や恋人と一緒に過ごす時間」が減ったという人も25.9%いた。一方、「家族と一緒に過ごす時間」は22.5%の人が増えたと答えた。
「職場での飲み会」については、22.3%が「減ったままのライフスタイルが好ましい」と回答。「家族と一緒に過ごす時間」では、16.8%が「増えたままが好ましい」と答えている。新型コロナウイルスによって、これまでと生活が変わっていくかもしれない。
「現在の不安・心配・悩み」について聞くと、「この状況がいつまで続くかわからない漫然とした不安がある」(75.6%)と「感染への恐怖心がある」(53.5%)の回答率が高い。
「自分自身のストレスが蓄積されていく心配がある」(26.4%)や「周囲のストレスが蓄積されていく心配がある」(21.8%)など精神面の不安のほか、「自分の給与カットが心配である」(20.4%)、「自分の会社の事業継続が心配である」(17.2%)など仕事面の先行きを懸念する声も挙がっている。
「特に不安・心配・悩みはない」は、わずか7.4%だった。
調査を行なったNTTデータ経営研究所は調査内で、「2月以降のライフスタイルの変化をみても、コロナによる変化が悪いことばかりではない。『職場の飲み会』や『家族と過ごす時間』などのように、これまでよりも好ましい時間を過ごしている人もいる。
一方で、『緊急事態宣言』発令時の調査において、4 分の3以上の人が漫然とした不安を抱えている現状から、長期的な視点では、感染リスクや経済損失に加え、今後一層、メンタルケ アの重要性も本調査では示唆している」と述べた。
<文/薗部雄一>