コロナで揺れる個人経営の飲食店。「感染防止のためテイクアウトのみにしたが、売り上げは立たない」
緊急事態宣言から3週間以上が経った今、飲食店に行き交う人々で賑わいを見せていた夜の商店街はひっそりと静まり返っています。
東急東横線の学芸大学駅もその一つ。一人暮らしの若者からファミリーまで幅広い層が住み、数々の人気店が軒を連ねるこの街の飲食店も、今はテイクアウトのみの営業が中心となっています。顧客の激減に晒されている飲食店の経営者は今、何を思うのでしょうか。
学芸大学駅で人気のイタリアンバル「ワイン食堂レインカラー」と居酒屋「大衆酒場レインカラー」を経営する手島義朋さんにお話を聞きました。
――お客様の入り方に変化があったのはいつ頃からでしょうか。
3月25日に週末の外出禁止令があった時ですね。27日まではごった返していました。そこからぱったりでしたね。
――手島さんは学芸大学でイタリアンバル「ワイン食堂レインカラー」とカジュアルな居酒屋の「大衆酒場レインカラー」を経営されていますが、両方その日を境に激減したということでしょうか?
そうですね。両方ともガクッと減りました。ただ、それ以降も来て下さるお客様はいたのですが、若い人の方が多かったです。
――3月の売り上げはどれくらい減少したのでしょうか?
5日間の売り上げで、通常営業時の空いている日の1日分ぐらいの売り上げですね。
――テイクアウトはいつから始めたのでしょうか?
4月頭からです。最初は、テイクアウトと一緒に店内飲食もやっていましたが、4月6日からは店舗営業を止めました。来て頂いていたお客様は1軒目が多かったんですね。うちの店ではお客様同士が距離を開けたりして、三密の状態を作らないよう気を遣って下さっていましたが、2、3軒目で他の店に行ってかなり酔っている方を見て、結果的にそういう行状を促すことにつながるのは良くないと思い、店舗での飲食提供は止めました。
――4月6日以前は営業時間を短縮していたのでしょうか。
4月の頭からランチをやりながら営業時間は短縮していました。いつもは26時までの営業でしたが、21時ラストオーダーで22時閉店にしました。
――テイクアウトの売り上げは平常時の売り上げをカバーできているのでしょうか?
カバーできていないですね。現在の売り上げは2店舗合わせて10万円ぐらいでしょうか。
――テイクアウトを利用される客層はどのような方々なのでしょうか?
我が家にも子供が3人いるのでよく分かるのですが、今は学校がやっていないので、給食を食べていた子供たちも家で昼食を食べます。そうすると、毎日3食作るのは大変なんですね。
そうしたこともあって、ファミリー層にはおかずの足しにして頂いているようです。また、仕事をしながら食べたいというテレワークの方も利用されています。収束が第一で売り上げは目標とはしていません。とにかく今はお客様に寄り添うという気持ちで営業しています。
――お客様の反応はどのようなものなのでしょうか。良く出ている商品はありますか?
好評ですね。テイクアウトはどの店もやっているので、お客様は各店舗を回って利用しているようです。良く出ているのは、お弁当とおつまみセットです。
――テイクアウトのお客様は常連さんが多いのでしょうか?
常連か否かを問わず、助けたいという気持ちを持ってくださっている方が多いです。もちろん、店の前をたまたま通りがかった方も利用されています。
――店舗を利用した新しい試みも始めたと聞きました。
給食で使うはずだった小松菜が数トン単位で余っているということもあって、うちの店も含めて学芸大学のいくつかの店舗が場所貸しをして、小松菜を販売しています。
3月25日の外出禁止令で客足が激減
テイクアウトでは売り上げの減少をカバーできず
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