新型コロナとホームレス。炊き出し自粛、ネカフェ閉鎖で追い詰められる社会的弱者

コロナとホームレス

生活保護受給者の男性(32歳)。現在は月12万円の支給で寮に暮らしているが、「無職になって2か月ですけど焦りはないですね。コロナよりも炊き出しが減っていることのほうが心配です」

 新型コロナウイルスの影響により炊き出しの自粛や、ネカフェの休業で居場所を失い、さらには日雇い仕事も減少中とホームレスたちの生活が追い詰められている。コロナの感染により社会が混沌としていくなか、彼らは何を思っているのだろうか。実情に迫るべく、ホームレスを直撃してみた。

コロナに感染するよりも仕事と食料を失うのが怖い

 政府から緊急事態宣言が発出される3日前。民間団体の「新宿ごはんプラス」が運営する炊き出しには、食料を求めて100人近くの生活困窮者が集まっていた。彼らはコロナ禍でどんな危機に直面しているのか。まず、仲間と並ぶ人たちが多いなかで、ひとり静かに待っている若い男性(31歳)に声をかけてみる。彼は1週間前に上京して、ネカフェ生活を送っているという。 「大阪で建築現場の日雇い寮にいましたが、コロナで仕事が半減して。それで東京のほうが仕事があると思って上京したその日に新宿の公園で野宿したら、貴重品を盗まれてしまって……。今はSNSで募集されるパチンコ店の引き子(一回2000円)で凌いでます。今はコロナの感染より寝る場所を確保するほうが俺には大事です」
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「新宿ごはんプラス」では、弁当配布のほかに支援制度や健康状態の相談なども定期的に行っている

 生活保護を受ける別の小太りの男性(32歳)は、「コロナの脅威は感じない」と楽観視している。 「対策しても感染するときはするんだから、何も考えてないですね。今のところは生活保護で最低限の生活が送れているんで、職探しはコロナが終息してから考えます」  今はコロナ対策として衛生面に配慮し、炊き出しも弁当配布に切り替わっている。隣には健康相談のブースもあるが、弁当をもらうと足早に去っていく人がほとんどだ。
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常連組は開始の数時間前からペットボトルで場所取りをしていた

最悪、ゴミ漁りの可能性も。でも食わないと死ぬ

 そんななか、歯がボロボロの男性(53歳)は、「栄養も取れてないし、体調が悪い」と話しながら咳き込んでいた。3月までは日雇い労働を月に4日こなして3万円ほどの収入があったが、4月に入ってからはその仕事もゼロになった。 「炊き出しが中止になった場所から、食べ物を求めてくるヤツも多いんだ。品切れのときもある。俺は一食を3回に分けて食べて、あとは公園の水で腹を膨らませてる。これ以上、炊き出しが減ったらゴミを漁る生活だな……。衛生環境は悪いけど、食わなきゃ死ぬだろ」
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「これを3回に分けて食べる。腹が減ったら公園の水で腹を膨らませてるよ」と路上生活歴14年の男性(53歳)。普段は新宿の公園をねぐらにしているという。「住んでる連中は高齢の人ばっかりで、体調が悪そうな人が多い。誰かがコロナに感染したら一気に広がる危険はあるけど、ほかに行くところもない」

 2月から風呂に入れていないという無職の男性(49歳)は、「路上に座っていると若者に『コロナに感染するから消えろ!』と罵詈雑言を浴びせられた」らしい。 「アルミ缶や古本を拾って換金して生活してたけど、コロナで買い取り価格が一回3000円から500円に下がっちゃってさ。国が30万円を給付するらしいが、俺らにも10分の1ぐらい配ってもらえないだろうか」
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全財産が1000円という男性(49歳)。公園で寝てたら若者の集団に「コロナより不潔だから死ね」って言われたという。以前は日当5000円ぐらいの日雇い仕事をこなしていたとか。「コロナで全体の仕事量も減って若いのが優先。45歳以上じゃ応募すらできない。中高年の就労支援をしっかりしてほしいです」

 コロナに楽観的な人もいれば、今後の生活に不安を感じる人など、意見はさまざまだった。炊き出しの弁当を夢中でかき込む姿を見ていると、彼らにとってはコロナの情報よりも、食うものが重要であると認識させられた。
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数千人のネカフェ難民がホームレスになる可能性も
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