コロナ離婚やDVを未然に防ぐ、倦怠期夫婦もの映画7選

コロナ離婚を避けるためには 新型コロナウイルスの感染拡大、そして外出自粛やテレワークを強いられている影響で、ある深刻な問題が浮上している。それは自宅で過ごす時間が急増したことをきっかけに、家族といることがストレスになる、はたまた口げんかをしてしまうということ。さらに離婚を考えたり、DVにも発展したりするケースも報告され、“コロナ離婚”という言葉までもが生まれたのだ。  ここでは、コロナ離婚やDVを未然に防ぐためにも、いわゆる“倦怠期”に差し掛かった、または離婚やそれに通ずる問題が浮上している夫婦を描いた7つの映画(+おまけの映画を1つ)を紹介しよう。いずれも、ハッピーでもロマンティックなラブストーリーでもないが、だからこそ反面教師的に“夫婦のあり方”について学べる作品である。

1:『ブルーバレンタイン』(2010)

ブルーバレンタイン 本作についてまず知ってほしいのは、2つの時間軸を交互に行き来する、特殊な構成で物語が進むということだ。それは(1)現在:結婚5年目で破局に向かっていく夫婦の1日半と、(2)過去:そのふたりが出会い結婚に至るまでの数週間である。  この2つの時間軸を交互に見せることで、破局へのカウントダウンを始めるギスギスした夫婦の関係と、出会った頃の幸せな日々とのギャップが残酷なまでに際立つ。しかも、その幸せな日々であるはずの過去のシーンにも、現在の破局に繋がる“理由”がそこかしこに見える。その積み重ねこそが夫婦の亀裂を生んでいることがわかるので、観ていてとてもつらいのだ(もちろん良い意味で)。意地悪なまでに計算し尽くされたラストシーンを観て、打ちのめされてしまう方も多いだろう。  また、妻は長年の勉強のすえに資格を取り看護師として忙しく働いていて、一方で夫は朝からビールを飲みながらの不安定なペンキ塗りというしがない仕事に就いており、夫はそのことをコンプレックスに感じているということも、夫婦の軋轢の原因になっている。さらに、夫は少しでも家族との時間を大切にしたいと思っているが、一方で妻は夫にちゃんとした仕事に就いてほしいと願っているため、さらに溝が深まっていく……お互いの仕事や社会での立ち位置による夫婦の考え方の“ズレ”こそが、夫婦の関係においてもっとも危険であるとも、学べるのもかもしれない。

2:『マリッジ・ストーリー』(2019)

マリッジ・ストーリー こちらはNetflix限定で観られるオリジナル映画だ。劇団の演出家である夫と、その劇団の看板女優である妻が、些細なすれ違いをきっかけに離婚調停を始めてしまう。最初は2人ともお互いに歩み寄る姿勢であったが、息子の親権を巡って対立してしまい、いつの間にか泥沼の離婚裁判へと向かう……という内容である。  この泥沼の離婚裁判は、“めんどくさい”を超えてもはや地獄のような様相になっていく。お互いに相手の欠点をあげつらって攻撃し、離婚に関するややこしい法手続きという壁にぶつかり、弁護士の選定とその莫大な費用にも悩む……誰もが「初めから話し合いで決めていればこんなことにならなかったのに」と思ってしまうことだろう。出色なのはオープニングのある演出で、(詳細は観てほしいので書かないでおくが)これが物語の掴みとしてバッチリな上に、後の離婚調停バトルの浅ましさを際立たせる見事な仕掛けになっていた。  全編がセリフによる会話劇で構成されており、中盤の激烈な口げんかからは「心にもないことを口にして相手を傷つけてしまう」「本当に伝えたいことを伝えられない」という夫婦のすれ違いによる切ない感情もありありと見えるだろう。それはちょっとしたお互いの”ボタンの掛け違い”が次第に悪化して行った結果だ。そうなってしまう前に、日頃からパートナーの存在に目を向け、何を思っているのかもしっかり考え、小さなことからでも会話を作っていく……その大切さもきっと噛み締められるだろう。また、決して離婚という選択肢そのものを否定している映画ではない、ということも付け加えておく。
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『タリーと私の秘密の時間』が描く子育ての大変さ
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