履歴書に「表彰歴を書かないほうが書類選考を通る」!? シニア世代の就職戦線の裏側 

長すぎるアピールは「指示を聞かなそう」な印象に

 面接においても、企業側に“扱いやすい人材”と思ってもらうための行動が大事になるという。 「企業側はシニア世代に対して『プライドが高くて指示を聞いてくれないのではないか』という恐れを持っているので、『自慢げなことは言わない』というのが大事なポイントのひとつです。  また30年、40年と仕事を続けてきたシニア世代の方は、過去の仕事の内容を1時間でも2時間でも話せるはずですが、『3分でまとめて簡潔に話す』というのも大切です。いくら立派な仕事をしてきた方でも、長く話せば話すほど、やはり『指示を聞いてくれなそうな人』と思われてしまいます」  そして過去の話ばかりでなく未来の話をすることも大切だ。 「いくら過去の職歴が立派でも、応募した企業がお願いしたい仕事を『それは経験がないのでできません』と断る人は採用されないですよね。たとえばパソコンが不得手でも、応募した会社で使うことが必要なら、『いまから勉強しています』『入社以降も教わったことをできるように努力します』などと前向きな未来の話をすべきです」  要するに書類選考でも面接でも、“使われる側の人材”として自分が役に立つことをアピールするのが必要なわけだ。 「シニア世代の方には、マネジメントする側の業務に長く就いてきて、その感覚が体に染みついている方も多いです。そのため言葉使いもどこか横柄になっている人もいるので、『相手が若い方でもきちんと敬語を』といった初歩的なことも我々はしっかり伝えています」

年齢に関係なく働ける人は大歓迎される

 逆に若い世代と人間関係を築くことが上手な人は、やはり採用される割合が高いという。 「シニアジョブで求職者との面談・企業への紹介を行う人材コーディネーターは20代~30代が中心ですが、彼らと円滑な会話のやりとりができる方は、やはり選考も進みやすいです。そして孫くらい年の離れた人とも楽しく働ける人は、どんな企業でも歓迎されるでしょう。シニアジョブには69歳のメンバーもいますが、若いメンバーとお互いにいじったり・いじられたりしながら毎日仕事をしています(笑)」  必要なのは変なプライドを捨てること。年下の後輩にいじられただけでキレていたような人は、そうした自分の性格を見つめ直してみることが、再就職への第一歩なのかもしれない。 <取材・文/古澤誠一郎>
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