ついに始まった「マスクを奪い合う世界」。スペインの倉庫から200万枚のマスクがポルトガル企業によって盗まれた

マスクの男イメージ

Tobias Rehbein via Pixabay

 4月7日、スペインのガリシア州にある巡礼地サンティアゴ・デ・コンポステラの工場団地にある倉庫から200万枚のマスクが盗まれていたのが自治州警察の捜査で明らかにされた。価格にして500万ユーロ(6億円)と評価されている。(参照:「La Voz de Galicia」)  コロナウイルス感染が拡大しているスペインや他ヨーロッパ諸国ではこれまで市民の間でマスクをする習慣がなかった今、マスクは貴重品となっている。

倒産した医療器具メーカーの倉庫から消えたマスク

 マスクがストックされていた倉庫はマジョルカ島に本社を構えていた医療器具マスク、手術用手袋、医療ユニフォームなどを販売していたオクシドックという社名の会社で2013年に倒産。現在、会社更生法が適用されている会社だ。  同社はサンティアゴ・デ・コンポステラとバレンシアに倉庫をもっていた。ところが、監査当局では同社の倉庫に医療器具が在庫として保管されていたことに気づかなかったようだ。一方、この倉庫を売却することを担当していた不動産業者ハビエル・コンデはその存在を知っていたようで、密かにポルトガルでそれを購入する意向のあ業者と接触。それが2月中頃のことであった。(参照:「El Diario」、「El Diario」)  保管されてあったマスクは高品質のマスクFFP2で、価格にして500万ユーロ(6億円)と評価されている。  倉庫内に空箱が多く散らばっているのはマスクの外箱に有効期限が2015年となっていたことから、中身の包装されたマスクだけを盗んだということだ。その為におよそ40時間を要したことも明らかになっている。倉庫に残っていたのは僅かに1000枚のマスクだけだったそうだ。この後、バレンシアの倉庫からもマスクを盗む計画だったという。(参照:「ABC」、「El Diario」)  それをポルトガルのプレートナンバーのトレーラーに積んで持ち去ったことが工場団地を設置されている監視カメラによって明らかになっている。  今月7日に自治州警察がその倉庫に向かったのは、マスクなどがそこに保管されているという通報を受けたことからであったという。丁度今、マスク需要が高まっている時期で自治警察もその通報に強い関心をもったということだ。

「密売」を手引したスペインの不動産業者

 逮捕されたハビエル・コンデは地元紙エル・コレオ・ガリェゴが運営するテレビで不動産のオファーを担当していたということで著名人でもあった。彼は法廷での供述でマスクの販売で6万ユーロ(720万円)を得たことを明らかにした後釈放されている。警察はマスクを持ち去ったポルトガルの業者と倉庫内で作業した者の捜査に乗り出している。(参照:「La Voz de Galicia」)  ちなみに、中国はスペインを含め50か国にひと月で38億6000万枚のマスクを輸出したとされている。価格にして13億3000万ユーロ(1600億円)。(参照:「La Vanguardia」)  これまで世界は中国に依存して来たことの証左である。コロナ感染を契機にスペインでもマスクを従来から国内で生産して来たメーカーに加えて、新たに複数の会社が生産に乗り出している。同様に人工呼吸器や防護服なども同様だ。これまでの中国に依存して来たことに反省したようだ。
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国同士で人工呼吸器も「奪い合い」
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