経済成長したからこそ抜け道が効かなくなったタイの「外国人料金」

チョークチャイ牧場

タイ東北地方にある『チョークチャイ牧場』は料金は高いが、外国人料金設定がないので気持ちがいい

 経済成長を遂げ、世界でも有数の観光地になっているタイ。だが、そこにはいまだに「外国人料金」という外国人観光客には厄介なシステムが存在している。 ※前編:「経済成長を遂げるタイにいまだ残る『外国人料金』という悪習」 https://hbol.jp/21643  果たして、この「外国人料金」だが、なんとかこれを避ける方法はないのだろうか?  実は、外国人がタイ人料金で施設などを利用できるようになる小技もあるにはある。  まず一つ目は、タイの労働許可証を提示することだ。しかし、タイの労働許可証は名義本人が登記しているオフィス(あるいは工場など)で働くことを許可しているもので、大抵は会社内で保管されていて持ち歩くものではない。そもそも遊園地に行くのに紛失したら大変なことになる労働許可証を持ち歩くことは現実的ではないし、観光客はできない。  2つめは比較的手っ取り早い。それは、タイ人と同行するという手だ。チケット販売までは厳しく見ているものの、タイ人ののんびりした性格からか入場時のチケットのもぎりではまったく見ていないので、止められることはないのである。
アユタヤ

アユタヤは外国人料金ばかりと言っていい

 また、「タイ好きをアピールする」という手も意外と効果的だ。そんな馬鹿なと思うだろうが、管理が緩い施設ならば、タイ語で話しかけたり、タイを褒めちぎってみるといい。タイ人の愛国精神は非常に高いので、喜んでくれてタイ人料金になることもある。  ただ、2つめや3つめの方法は最近は経済成長とともに、きっちりしているところが多くなったので、この手が使えるところが少なくなったのが残念。外国人料金というもの自体は、開発途上国的な考えによる悪しき慣習だと思うのだが、経済成長にともない近代化してきたことでむしろきっちりと運用されるようになってしまっているのはなんとも皮肉な話である。 <取材・文・撮影/高田胤臣>
(Twitter ID:@NatureNENEAM) たかだたねおみ●タイ在住のライター。最新刊に『亜細亜熱帯怪談』(高田胤臣著・丸山ゴンザレス監修・晶文社)がある。他に『バンコクアソビ』(イースト・プレス)など
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