経済成長を遂げるタイにいまだ残る「外国人料金」を避ける方法は?

国立自然公園

国立自然公園の入場料の看板。上段の40と20はそれぞれ大人と子ども料金。外国人は10倍となっている

 ほほ笑みの国と呼ばれるタイにはタイ人の人柄、文化、自然、その他たくさんの見所に魅力があって、日本人を始め、多くの外国人がタイ好きを公言している。  年間観光客は2013年には2654万人(世界第10位)にもおよび、観光収入は421億ドル(世界第7位)とされる。  しかし、そんな観光大国には悪しき慣習がある。  それは「外国人料金」と呼ばれる二重価格だ。  外国人料金はタイに限らず東南アジア諸国ではよくあるもので、自国民と外国人で違った料金設定をしている。外国人料金が設定されるのは寺院や国立公園、博物館、飲食店、遊戯施設などだ。  タイ人の考え方によれば「タイ人のためのもの、タイ人のものなので部外者である外国人は料金を高く設定して当然」となる。日本人に人気の観光地、古都アユタヤの遺跡も多くがタイ人と外国人の料金が違っている。巧妙なのはタイ人料金にはタイ文字を利用していることだ。一般的な旅行者は読めないので気がつかない。  損をした気になる外国人料金だが、この「タイ人のものだから」というのは百歩譲れば理解できないこともない。初めてタイを訪れる外国人のほとんどが足を運ぶエメラルド寺院はタイ最高峰の寺としてタイ人も訪れている。さすがにここはタイ人の場所であるということは納得がいく。そのため、タイ人は無料、外国人は500バーツ(約1800円)という、恐らくタイでも最高の値差を設定されていても仕方がないとは思う。  ほかには自然公園なども多くが外国人料金があり、タイの土地だからと無理矢理納得することもできる。ただ、飲食店や遊園地など文化的にまったく関係ない施設まで外国人料金を設定しているのには少々閉口してしまう。仮にタイ人のための施設だからというのであれば、外国人入場禁止にすればいい。いまや東南アジアでも有数の経済成長を遂げる国となったタイが、かつて裕福でなかった開発途上国時代に存在していた「外国人からふんだくってやろうという」という精神が受け継がれているように思えてしまうのだ。タイ人経営者たちはそれが変だということに気がついていない。  とはいえ、それもまだタイ人経営者であれば閉口しつつもわからんでもない。ところが、同じことを外国人経営者が行うと意味合いが変わってくる。  バンコクにあるナイトマーケット『アジアンティーク』に巨大観覧車ができたときの話だ。運営会社は欧米人経営だが、外国人料金を設定した。この場合は「在住外国人からお世話になっているタイ人のために」という美談にも取れる。(ただし、直後にタイ人・外国人共に同一料金になった。英国人ブロガーが外国人料金に噛みつき、サイトが炎上したからだった)。  このように、しぶしぶでも納得できるものから、便乗に過ぎない外国人経営者によるものなどさまざまにある「外国人料金」だが、なんとかこれを避ける方法はないのだろうか? ⇒【後編】「タイの悪習『外国人料金』に抜け道はあるのか?」(http://hbol.jp/21653)に続く <取材・文・撮影/高田胤臣>
(Twitter ID:@NatureNENEAM) たかだたねおみ●タイ在住のライター。最新刊に『亜細亜熱帯怪談』(高田胤臣著・丸山ゴンザレス監修・晶文社)がある。他に『バンコクアソビ』(イースト・プレス)など
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