運転台のスイッチ類がなんと溶接されていないで動く!
客室をあとにして運転台に入ります。この
四国鉄道文化館では、可能な限り車内、運転台に入り、機器を触れるようにしてあります。マスコンなどのスイッチやレバー類は、動くようにされているとのことで、静態展示車両によくあるように、溶接されて絶対に動かないように加工されていません。子供達は思わぬ行動をとりますので、こういった状態での維持はたいへんと思います。筆者は、こういう展示車両ではレバーやスイッチは動かないように固定されているという思い込みがあり触っていませんでした。あとで
このことを知り、チョー悔しいです。
ここでは写真をたくさん掲載しますので、説明はキャプションをご覧ください(配信先によっては画像がすべて表示されないところもあるので、その際はHBOL本体サイトにてご覧ください)。
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新幹線0系電車21-141運転台2018/11/02撮影 牧田寛
ぺたぺたさわれます
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新幹線0系電車21-141運転台2018/11/02撮影 牧田寛
子供が怪我をしないように突起物を養生するなどなされています
「運転台注意」「転落」どういう意味でしょうか
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新幹線0系電車21-141運転席後ろ2018/11/02撮影 牧田寛
このように運転席は一段高くなっていて、油断をすると落ちてしまいます
運転台左側には乗務員専用乗降口があります
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新幹線0系電車21-141運転台パネル2018/11/02撮影 牧田寛
引退前は、四両編成のこだま運用でした
速度計右の白いボタンは、元々は「確認」という機能です「このスイッチを押すと前照灯が1分間、点灯します」と張り紙があります。押して急いで外に出れば写真が撮れそうですが、危ないですよ。空いているときならば係の方に頼んでみてはどうでしょうか。
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新幹線0系電車21-141運転台パネル2018/11/02撮影 牧田寛
銀色の説明シールが貼られており、子供には学習の助けとなります
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新幹線0系電車21-141運転台からの前方視界2018/11/02撮影 牧田寛
運転席横に立って撮影
フリーゲージトレインとおなじで0系の時代から運転席右手に予備速度表示器があります。
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新幹線0系電車21-141運転席からの前方視界2018/11/02撮影 牧田寛
運転席に座ると近距離前方の視界は殆どありません。新幹線の軌道には外部から入れないので高速運転に特化しています
鉄道は、左側通行なので、駅のホームは多くの場合左側です
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新幹線0系電車21-141運転席からの右前方視界2018/11/02撮影 牧田寛
右前方の視界はとても悪く近くは全く見えません
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新幹線0系電車21-141運転台右側窓2018/11/02撮影 牧田寛
窓は開きます
客室と運転台を十分に堪能したので外に出ると出口正面に説明パネルがあります。新幹線鉄道網が果たした役割を説明していますが、読めば読むほどに、唯一、新幹線がきていない四国の悲哀を感じます。既に北海道新幹線札幌延伸事業まで始まっていますが、四国新幹線は全く動きがありません。
新幹線の父と言われる第四代国鉄総裁十河信二氏が、終戦直後に市長を務めた西条市、そして十河氏が生まれ育った愛媛県だけにこれはとても悔しいでしょう。しかし、フル規格新幹線を事実上諦め、フリーゲージトレインに賭けたもののフリーゲージトレインも事業失敗ですので完全に手詰まりです。全国改軌✴︎ないしスーパー特急✴︎✴︎導入論者である筆者から見れば政治的毛針に釣られたとしか見えない訳で、現状の打破は極めて困難でしょう。
〈*全国の在来線鉄道網を新幹線とおなじ標準軌に敷設し直すことを全国改軌(かいき)とよび、明治時代からの懸案事項である。莫大な資金を要するために幾度も具体化前までいったが戦争や不況などで着手されなかった。ミニ新幹線やフリーゲージトレインなどの小手先対応を要しなくなり、在来線の分断も生じなくなる。しかしJRの力では不可能で、長期的視点での国土再開発の一環として行わねばならない。〉
〈**スーパー特急とは、フル規格新幹線に準じた路盤に、在来線とおなじ狭軌軌道を敷設し、時速200km/h程度の高速列車を走らせる構想。在来線との相互乗り入れが可能であり、並行在来線問題が緩和され、鉄道の全国ネットワークが維持される。但し、新線区間の建設費がフル規格新幹線と余り変わらないとされる。〉
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車両出口正面にある説明パネル2018/11/02撮影 牧田寛
さて、新幹線運転台から左前に見えている階段を上ると上から見下ろすことができます。鉄道施設から移設したと思われる螺旋階段を登ると見事に見下ろすことができます。筆者は重度の高所恐怖症ですので、このあと降りるのにとても苦労しました。いや、怖くても登らずにはいられなかったのです。
登ってみるとなかなか壮観で、半身の新幹線車両でも格好良いです。しかしかわいそうなので、完全な形であればと思います。
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螺旋階段の上から見た新幹線0系電車21-141 2018/11/02撮影 牧田寛
右隣は、DF50-1
撮影は一昨年で、来館者50万人達成のくす玉が割れています。
ここまで新幹線0系電車21-141の展示をご紹介しました。四国鉄道文化館の展示は、中に入れる、触れる、いじくれるが特徴です。今回はここまでとし、次回は先ほどからずっと隣で赤い偉容を示している電気式ディーゼル機関車DF50-1をご紹介します。
<取材・文・撮影/牧田寛>