在宅勤務は集中できない……。在宅仕事5年目のライターが伝える「楽しむコツ」とは
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、在宅勤務の動きが広がっている。従業員からすれば満員電車に乗らずに済むほか、住み慣れた自宅で働けるとあって理想的な働き方のはずだ。しかしいざ在宅勤務をしてみると、「想像と違った」と違和感を抱くケースがある。
BIGLOBEが3月末に発表した調査では、「事務仕事をするための部屋や机、イスがない」や「集中力が続かない」などのストレスを感じるとの回答が目立った。筆者の周りでも「人と会えなくて寂しい」「オンとオフの切り替えができず仕事に没頭できない」などの声が挙がっている。
そこで、約5年にわたり自宅を中心に仕事をしてきた筆者が、在宅勤務にストレスを感じる人の役に立つヒントをお伝えしようと思う。フリーランスとしての経験ではあるが、会社員にも応用できると感じるので参考にしてほしい。
在宅勤務の障害のひとつは、職場と住まいが同じ場所のため公私の区別がつけにくいこと。通勤は「プライベートの自分から仕事をする自分へ切り替える準備時間」にもなりえるので、在宅勤務になったとたんに頭が混乱してしまう。実際、筆者が在宅メインの働き方を始めた時には困った。
オンとオフの切り替えをスムーズにするための「自分なりの儀式」が必要なのだが、着替えは手っ取り早く負担が少ないやり方だ。制服やスーツを着ると、なんとなく気持ちが引き締まった経験はないだろうか。それと同じである。わざわざスーツを着る必要はないが、仕事用の洋服を何着か用意しておくと公私の切り替えがしやすくなる。
在宅勤務だと職場と違って自分の仕事ぶりに目を光らせる人がいない分、油断するとだらけてしまう。自宅にはゲーム、漫画、お菓子、ベッドなど集中力を阻害する要因が存在する。仕事で使うパソコンでネットサーフィンをしてしまい、気付いたら時間が経っていた、ということになりかねない。仕事の進行を自分で管理しないといけないのだ。
パソコンの文字入力ソフトに打ってもいいし、カレンダーアプリでもいいので「今日自分にはどんなタスクがあるのか」「いつまでに終えるのか」「どれくらいの時間をかけるのか」を可視化する。そうやって自分に適度なプレッシャーをかければ、やるべきことを放置してだらけにくくなる。
進行管理以外には、働き過ぎを抑える効果もある。ネット環境さえあれば働ける働き方をしていると、ついつい仕事をしすぎてしまうリスクもある。いつでも、どこでも働けるというメリットがある一方で、いつでも、どこでも働けてしまうデメリットもある。もちろん仕事内容にもよるが、四六時中やってくる連絡に都度対応していたら、心身ともにすり減っていく。「この時間帯は働くけど、この時間帯は仕事から離れる」のように、自分が仕事に向き合う時間をちゃんと決めておくことで、在宅勤務によるストレスは軽減できる。
在宅勤務ではメール、チャットツールなどを活用したテキストでのやりとりが増える。職場のように対面でのコミュニケーションでは相手の表情や顔色などが見えるので、相手の状態がわかる。しかしテキストのみのやりとりだと対面に比べて受け取れる情報量が圧倒的に少ないため、相手により気を配る必要がある。
たとえばテキストには絵文字や顔文字を混ぜ、感情を出すようにしている。人によっては用件だけの文を「素っ気ない」「怒っているのかも」と感じてしまうケースがある。そのような誤解が生じたままではオンラインで円滑なコミュニケーションが取りにくくなってしまう。「わかりました」と「わかりました!」では、後者の方が動きがある。
Slackであれば、メンバーの発言に絵文字で反応し、「読んだよ」「理解したよ」というメッセージを伝える。発言者は自分のコメントが無視されていない安心感を得られる。
あとは相手の家族構成や個人的な事情を知っていれば、連絡を入れる時間に配慮する。朝方の人なら送信予約で朝早くにメールを送るし、3人のお子さんを持つ人なら保育園のお迎えから食事やお風呂で忙しくなる夕方以降にはあまりコンタクトを取らないようにしている。緊急度によってはその限りではないが、基本的には「相手が連絡を落ち着いて見られる可能性が高い時間」を選んで連絡を入れている。
オンラインでのコミュニケーションだからこそ、より一層「お互いに心地よく働ける状態」を意識することが必要なのだ。
パジャマから仕事用の服に着替える
スケジュール管理をしっかりする
対面でのコミュニケーション以上に相手への思いやりを持つ
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