プログラマーにとっては年収にも関わる大問題 (photo via shutterstock_)
プログラミング言語人気ランキング「TIOBE Index」とは?
「
TIOBE Index」と呼ばれるランキングがある。IT業界にいる人なら、名前ぐらいは見かけたことがあるかもしれない。毎月更新されているプログラミング言語のランキングである。多くのネットニュースやブログに転載されており、どのプログラミング言語が人気かという寸評が載せられている。
TIOBE とは奇妙な名前である。この名前は企業名だ。所在地は、オランダのエイントホーフェン。TIOBE は、オスカー・ワイルドの喜劇「
The Importance Of Being Earnest」の名前が由来である(
TIOBE)。
同フレーズは、ダブルミーニングになっている。「アーネストが大切」「真面目が大切」。「Earnest」は、人名でもあり、真面目という意味も持つ。日本では、「真面目が肝心」などの訳で邦題が付いている。
同社は、この喜劇の名前を社名に付けることで、顧客、サプライヤー、同僚に対する誠実でプロフェッショナルな態度を表したかったそうだ。ちなみに同作の副題は「A Trivial Comedy for Serious People」(深刻な人々のためのささいなコメディ)である。
こうした「真面目が肝心」な会社が発表する TIOBE Index は、
一定のルールに従って、プログラミング言語の人気をランキング化している。基本的には、大手の検索エンジンで、そのプログラミング言語が、どれぐらいインデックスされているかを元にしている。そのため、正確な順位ではないという批判も多い。しかし、大まかな傾向は分かる。
プログラマは、なぜTIOBE Indexに興味を持つのか
プログラマーが、TIOBE Index に興味を持つのは、なぜだろうか。理由のひとつは、
プログラミング言語が、一種のコミュニティであることが挙げられる。あるプログラミング言語を利用してい人は、ブログや SNS、各種カンファレンスなどを通して、ゆるやかな人的なつながりを構成する。
コミュニティが活発なのか、人数が多いのかといった情報は、将来にわたって、そのプログラミング言語を利用し続けるかを判断する指針になる。
プログラミング言語は、利用者が少なければ、改良の速度が低下してメンテナンスの頻度が減る。コミュニティの人数と勢いは、その言語を使い続ける際の、極めて重要な情報だ。
また、そのプログラミング言語の人気が高いということは、転職などの需要がどの程度あるかの参考にもなる。
IT企業は、市場からプログラマーを調達する。その際に、利用者が少ないプログラミング言語の開発者を探すのは大変だ。そのため、利用者が多いプログラミング言語で、開発者を募集する傾向が強い。
プログラミング言語の人気は、プログラマーにとっては、
自身が修得している言語の、経済的な価値を知る手段のひとつになる。言語の人気ランキングを気に掛けるのは、投資家が株価の値を見るのに似ている。自身が持っている銘柄(プログラミング言語)の人気は、重要な経済情報になるからだ。