TIOBE Index for March 2020
TIOBE Index は、当月分のみサイト上で公開されている。2001年以降の完全なデータセットは、有料で販売されている。そのため、過去のランキングを見たい場合は、TIOBE Index を引用しているネットニュースなどのページを探すことになる。この引用は、リンクを貼ることと引き換えに、TIOBE によって正式に許可されている。
それでは2020年3月の
TIOBE Index を見ていこう。上位20位までのプログラミング言語を掲載する。
1位 Java
2位 C
3位 Python
4位 C++
5位 C#
6位 Visual Basic .NET
7位 JavaScript
8位 PHP
9位 SQL
10位 Go
11位 R
12位 Assembly language
13位 Swift
14位 Ruby
15位 MATLAB
16位 PL/SQL
17位 Perl
18位 Visual Basic
19位 Objective-C
20位 Delphi/Object Pascal
上位10言語のうち、
C、C++ や Visual Basic .NET を除く言語は、ネットで記事をよく見ており、勢いがあることが実感できる。これらの言語は、Web や AI の分野でよく利用されている。このジャンルの人たちは、ネットで情報発信をよくする傾向があるので、集計方法から順位が高くなるのも分かる。
TIOBE index の今月の見出し部分で話題になっていたのは、
Delphi がトップ20から脱落しそうだという話だ。
筆者も過去に、Delphi を利用していたことがある。しかし現在では利用しておらず「久し振りに名前を見た」というのが正直な感想だ。そのため「20位から脱落しそうだ」というのも、それほど驚きはなかった。
Delphi は、Object Pascal をベースにした独自言語である。アメリカのボーランド社が開発して、現在はエンバカデロ・テクノロジーズが開発元になっている(参照:
エンバカデロ・テクノロジーズ)。
Delphi の統合開発環境では、ボタンや入力欄などの部品を並べて、視覚的にアプリケーションを設計できる。そのためGUIアプリケーションを開発する際に力を発揮する。現在では、モバイル用アプリの開発にも対応しており、Delphi に慣れていれば、そのままモバイルの開発もできるだろう。
同プログラミング言語は、今年の2月14日に、25周年を迎えたということで、特設サイトが作られた(参照:
Celebrating Delphi’s 25th Anniversary 、
オルタナティブ・ブログ)。歴史のあるプログラミング言語だが、需要は徐々に低下しており、新規での採用は難しいのではないかという実感がある(参照:
TIOBE)。
Amazon のサイトで、プログラミング分野で「Delphi」を検索して、出版年月が新しい順にソートしてみた。2016年の本が最も新しく、近年、本が出ていないことが分かる。書籍だけが入門用の入り口ではないが、入門書が出るほどには需要はないのだろう。