ウェブ広告の闇。なぜ違法なサプリの広告が野放しになっているのか?

レコメンドウィジェット広告運営企業のスタンス

 レコメンドウィジェット広告運営企業は、これらの違法サイトへの導線を作ってしまっている。では、それらの企業が薬機法違反サイト・フェイク広告サイトに対してどのような認識を持っているのか確認してみよう。  レコメンドウィジェット広告事業の売上比率が高い会社で、なおかつ上場している企業としては、株式会社ログリーが挙げられる。2019年度第3四半期決算説明資料の15ページ目を見ると、株式会社ログリーの第3四半期までの売上高19.4億円のうち、レコメンドウィジェット広告事業である「LOGLY lift」での売上は18.9億円だ。大雑把な計算ではあるが、全体の97.4%がレコメンドウィジェット広告による売上だと読み取ることができる。「レコメンドウィジェット広告運営企業のスタンス」を知る上では、良いサンプルとなる企業だ。  そして、2019年度第2四半期報告書の3ページ目に「事業等のリスク」と「経営成績の状況」の記述がある。仮に、薬機法違反サイトやフェイク広告サイトについて大きなリスクを認識していれば、ここに記述されているはずだ。  報告書を見てみると、それらのリスクに対して言及はない。記述されているリスクは、資金調達とアドフラウド、Cookie規制のみだ。  つまり、株式会社ログリーは、薬機法違反サイトやフェイク広告サイトについて、大きな問題認識を持っていない。全く無いとも思えないが、おそらく、四半期報告書に書くような大きな問題ではない、と考えているのだろう。

コストの問題と現実的な解の案

 レコメンドウィジェット広告運営企業が表示する広告の審査を厳しくすれば良いではないか、という考えも思いつく。しかし、それは現実的ではない。コストの問題だ。  ウェブページが薬機法違反しているか否かをチェックするには、専門的な知識が必要だ。相場観としては、1ページあたり5万円程度のコストがかかる。無数にある広告サイトに対して、そのコストを払えば、おそらく大赤字になり、事業が成り立たない。だから、広告審査をゆるいままにして、この問題に目をつぶっているという面もあるのだろう。  だからといって、違法な広告を放置することが許されるとは思えない。例えば、「レコメンドウィジェット広告としては美容系・健康食品系の広告を一律で排除する」といった対応はできるはずだ。  現状の機械学習(いわゆるAI)では、テキスト文字列から薬機法違反を判定することはおそらく不可能だ。だが、紹介されている商品が美容系・健康食品系であるか否か、という程度の推定は、可能なはず。  商品ジャンルの推定については、レコメンドウィジェット広告運営企業として、全てを内製する必要はない。Microsoft AzureのLanguage Understandingのような優秀な外部サービスも存在する。このMicrosoft Azureのサービスは、文章を送信すると、その中の重要な単語を判定してくれる。このような機械学習の外部サービスを活用すれば、広告サイトで紹介されている商品ジャンルを推定することは、ごく簡単に実現できるだろう。  「レコメンドウィジェット広告としては美容系・健康食品系の広告を一律で排除する」という対応は、今すぐできる現実的な解としては、候補のひとつとなり得るだろう。
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お金の流れと、この仕組みの核となっている企業
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